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学歴は本当に必要?学歴アリとナシの二人が徹底討論【ちきりん×ウメハラ】

近い将来、学歴差別はなくなる

 それに対してちきりんは、社会の仕組み自体が変わると言います。 「『いい仕事を得るために、一生懸命いい大学に行く』と言っていますが、AIなどがどんどん発達して、これからは仕事自体が圧倒的に減るでしょう。ブラックな仕事はすべてオート化されるはずです。仕事自体がなくなれば、ブラック企業もワンオペもありません。その時に必要なのは学歴でしょうか」  一昔前までは、大学を卒業してからプロスポーツ選手になって活躍する人もいました。しかし今では、中学、高校まで学んだら、能力を掘り下げていかないと、日本や世界のトップで闘うことは難しくなっています。広く浅くなにかを学ぶ時間があったら、能力を掘り下げないと世界では戦えない時代です。ビジネス界にもその風潮はやってくるはずだとちきりんは言います。 「今までは、すべてにおいて能力のある人は学歴も持っていたんです。だけどこれからは、優秀な人材が学歴を持たなくなるし、今までほど報われなくなっていきます。それに気付かずに、必死に大枚をはたいて子どもを塾に行かせるのはもったいないと思っているんです」
ウメハラさん(左)とちきりんさん

ウメハラさん(左)とちきりんさん

 20年前、和久井の同期たちは軒並み大企業に就職しました。しかし今やそれらの企業は不景気まっただ中。一方で、2、30年前には「漫画読むとバカになる」などと言われていました。和久井は将来、漫画を読むことが仕事になるなどとは考えもしませんでした。10年先にどんな仕事が羽振りがいいのか、どんな仕事が新しく産まれているのか、予測はなかなかつきません。  大企業に勤めている男性と結婚するのが安泰の道なのか、勉強が得意ならいいけれど、そうじゃない子に膨大な時間とお金をかけて教育を施すことが「いい人生」への道なのでしょうか。人や「幸せ」の本質がより求められる社会が、すぐそこまで来ています。 <TEXT/和久井香菜子> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
和久井香菜子
ライター・編集、少女マンガ研究家。『少女マンガで読み解く 乙女心のツボ』(カンゼン)が好評発売中。英語テキストやテニス雑誌、ビジネス本まで幅広いジャンルで書き散らす。視覚障害者によるテープ起こし事業「合同会社ブラインドライターズ」代表
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