つまり、童貞なんてものは1日でも早く捨てることが正義であり、20歳を過ぎてから自分好みの女性と初体験をした男よりも、どんなブサイクな女性とでも19歳までに初体験を済ませた男の方が偉かったんです。極論ですが、そういう価値観の世界でした。
しかし、その潮目が2000年代になって変わっていきます。
2002年にみうらじゅんさんと伊集院光さんが『
D.T.』(D.T.とは「童貞」の新しい呼称)という共著を発売し、童貞の存在を擁護・肯定したことなどがきっかけとなり、童貞が徐々に市民権を得ていくことになります。
『D.T.』(メディアファクトリー)
童貞という存在がフィーチャーされ、いつしか
20歳を過ぎても童貞でいることが自虐ネタとして成立していくようになっていきます。それまでは口が裂けても言えなかったカミングアウトを、笑いに昇華できる空気に変わっていったんです。
そして、その自虐ネタがより定番化していくことで、童貞でい続けることはそこまで恥ずかしいことではないという価値観が浸透していき、現在に至ってる、と。
……え~と、童貞のイメージの変遷についての話が長くなりましたが、これが草食系男子が増えた最たる原因だと僕は考えています。