――リラックスしたいときにひとりHをする女性も多いと思いますが、今回、ひとりHはリラックスできる、という1つの例がでましたね。 藤井：正直あまり期待しないでやっていたので、瞑想状態に近いという結果が出たことで逆に腹落ちした気がしますよ。何も出ない可能性もありましたからね。 ――セックスと脳の関係に関する調査はたくさんありますが、ひとりHに関する調査ってあまりないような気がします。している人口はセックスより多いはずなのに（笑）。 藤井：そうですね、まともに調べている人は僕も知りません。 ――まだ調査対象が少ないかと思いますが、より科学的な意味を見出すには、何人くらいに調査すればよいのでしょうか。 藤井：もっとちゃんとした結果を出すなら、20～30人分はデータが必要かな。 ――ぜひ、脳にどんな反応や効果があるのか、調べてみていただきたいです。大変だと思いますが。 藤井：……大変だよね（笑）。 　最後はちょっと腰が引けていた藤井さん。メインはSR（代替現実）という新しい疑似現実を研究されていて、SRの技術とTENGAのコラボ企画を行ったことが縁で、今回脳波の測定を引き受けることになったそうです。 　ひとりHは瞑想に近い効果があるかもしれない、とわかった今回の調査。もしかして、ヨガ以上のリラックス効果があったりして……。 【藤井直敬 プロフィール】 脳科学者。独立行政法人理化学研究所脳科学 総合研究センター適応知性研究チームのチームリーダーで、株式会社ハコスコ代表取締役。 ＜TEXT／ミノシマタカコ　PHOTO／山川修一＞