福袋は絶対に買ってはいけません。
…そもそも福袋に良いアイテムを入れるわけがないのです。
アパレルスタッフなら多くが理解していることですが、実は「普段よく買うお客様」と「正月に福袋を買うお客様」は客層が異なるのです。福袋を買う人は「もともと気になってはいたけれど、買うには至らないお客様」であり、この人は「福袋」でしかそのブランドを買わない、というケースが多いのです。
「安くてたくさん入ってるなら試しに買ってみようかな」と思う人がほとんどで、客層がそもそも違うのです。
「宣伝目的にもしかしたら良品が入っているかも」と淡い期待を抱き福袋に手を出す人も少なくないですが、実はそもそもブランドがターゲットとしている客層とは異なるため、シビアな言い方をすれば「
福袋で宣伝してもしょうがない」のです。
だから福袋は多くのブランドにとって「在庫処分」の手段です。
どうにも売れないものを詰め込むためのもの。
経理的に在庫は資産ですから、持っているだけで負担となります。最終的に売れ残って倉庫に溜まった在庫は「焼却処分」という形をとるのが普通ですが…「
燃やすくらいなら思い切り安い福袋でさばいてしまえ」というのが多くのブランドの考え方です。福袋は危険ですよ。
ただし! もちろん宣伝目的で福袋を展開するブランドも、少ないですが、あります。ただそういったブランドのほとんどは「なんとコレが入ってます!」と中身の一部を宣伝していたりするもの。
どうしても福袋を買ってみたければ「一部でも中身を公開しているもの」を狙うと良いでしょう。
最後に今年も本連載をありがとうございました。来年も是非よろしくお願いいたします。
<TEXT/MB>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
【MB】
メンズファッションのバイヤー(レディスのキャリアもあり)。年間数十のブランドの展示会に足を運び、買いつけを行う。
ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、
メルマガ「最も早くオシャレになる方法」では、女性にも参考になる。初の著書『
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