センサーが反応しない!トイレが高機能すぎて悲劇が発生中
自動洗浄やウォシュレットなど、どんどん高機能になる現代のトイレ。ところが、高機能トイレが増えたために、新たな”迷惑行為”や悲劇が生まれているようだ。
「自動洗浄のトイレに慣れている人が多いせいか、手動なのに勘違いして流し忘れる人が多い。個室に入った瞬間、見たくもないものを見てしまった。いっそのこと公共トイレのすべてを自動洗浄に変えてほしい」(34歳・男性)
また、自動洗浄トイレでも、最近は節電で電源を切ることも多い。
「『節電の為、電源を止めています』って貼り紙もあるのに、そのまま立ち去る神経がわからない。なんで私が他人のを流さなくちゃいけないの!?」(32歳・女性)
このように、流し忘れを見た人が激怒するのはごもっとも。だが、流さなかった人にも言い分があるらしい。
「駅のトイレで用を済ませたあと、センサーに手をかざしても一向に反応しなかった。手をかざす時間を長くしてみたり、距離を変えたけどダメ。仕方なくそのまま……。流さなかったんじゃなく、流せなかったんです」(33歳・男性)
「用を足した後、探しても探しても手動ボタンが見つからず……。ペーパーを上にかぶせて隠して、立ち去りました」(30歳・女性)
トイレのタイプによっては手動ボタンの位置がわかりづらいものもあり、それが悲劇を生んでしまったようだ。また、こんな声も。
「最近の若者は和式に慣れていないせいか、使い方が汚い。近くに大学がある駅の和式トイレは、ほぼ毎日ウ●コがはみ出している」(48歳・男性)。
「ウォシュレットの水圧を『強』に変えて、そのままのヤツがいる。知らずに使って痔が悪化した」(40歳・男性)。
いくら機能が充実しようが、結局は利用者の気遣い次第のようだ。
「今のトイレは昔のようにシンプルな構造ではなく、家電並みの電子機器。だからメンテナンスや修理も複雑化しているのです」と語るのはトイレ専門の修理業者に勤める加藤了さん(仮名・27歳)だ。商業施設や駅、飲食店などで年間数十件のトラブル対処をしている。
加藤さんは、昨今のいたずら事情をこう話す。
「最もイタズラの被害が多いのがパチンコ店です。負けた腹いせなのか、壁かけの自動洗浄のパネルが殴られて壊されたり、空き缶が詰まっていることが多々あります。高機能のトイレほど複雑で修理も難しく、いたずらなどで壊れた際の修理費用も高くなるんです」
つまり、高機能になればなるほど、壊されたときのリスクが高い。
「もし便座を割られたら、総取り換えで費用は何十万とかかります。最近では節水で水をあまり使わない便器もありますが、実はコレ、変な物を流されると詰まりやすいんです。高機能ゆえの悩みですね」
外国人が日本に来ると、トイレの高機能ぶりに感動するそうだが、いったいどこまで進化するのだろうか?
<PHOTO/Gemenacom>
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