――たとえ報道でも、人のセクシャリティには触れるべきではないとお考えなのでしょうか。
榎本「誰でも人に触れられたくないものや大っぴらに言われたくないものってありますよね。家庭環境や障害を持っているなども同じですが、悪いことでも隠さないといけないことでもないけど、言いたくない人もいます。

榎本悠里香さん
だからこそ、セクシュアリティに関わらず、例えば以前、有名人の家庭環境をメディアが報じることや、今回では『成宮ゲイ報道引退』(12月10日スポニチ見出し)などが成宮さんのセクシャリティを決めつけたことは、同様に暴力性が高いことだと感じています。
でも最近では、社会からマスコミに疑問の声があがりはじめています。ずっと昔から週刊誌などゴシップは流され続けてきましたが、あまり疑問視されることがなかったのに比べると、SNSが活用される世の中になったことで、メディアの暴力性や姿勢について問題視する声が多くの人に届くようになり、炎上が起こっているのだと思います。これから良い方向にも悪い方向にもなりうる変化だと思います。」
<TEXT/ミノシマタカコ>