抜け感、外し…実は知らない着こなしルール
「着崩し」になると、必ずしも肌を見せる必要はなくて、ジャケットの袖をめくったり、トレンチコートのウエストベルトをバックルに通すのではなく、片結びにしてみたりと、とにかく正式な着方を崩していきます。
最後に「外し」ですが、“このスタイルにはふつうは絶対合わせないよね”というものを付け加える方法です。バッグのチャームを、格好つけたブランド物じゃなくて、自分でつくったビーズ小物にするとか、スーツにニット帽をかぶっちゃうとか、ドレスにメガネとか、そんなふうに、普通だったらこれとこれは合わせない、よくないと思われているものをわざと合わせてくるのが「外し」です。
では、なんで抜け感をつくったり、着崩してみたり、外してみたり、こなれていなくてはだめなのでしょうか。
それは、「完璧」が威圧的だからです。簡単に言うと、威張って見えるんです。フレンドリーじゃないんです。そういう人って、話しかけづらいでしょう?話しかけづらい人って、おしゃれな人じゃないんです。
ファッションというのは、私はこんな人ですよと、他人にプレゼンテーションする1つの方法です。それが威張ってて、誰かとしゃべるつもりもなくて、つんけんしてて、冷たい感じがして、半径1メートル以内に近付きたくなかったら、それはおしゃれじゃなくて、単なる見栄っ張りの傲慢な人です。その傲慢さをおしゃれな人は嫌がります。その結果、開発されたのが、抜け感、着崩し、外しのテクニックです。
日本ではあまりないんですけれども、ロンドンやパリに行って、ちょっとおしゃれな格好をしていたり、かわいいアクセサリーなんかつけていると、知らない人が、それいいねって話しかけてきます。おしゃれをきっかけに会話が始まります。会話が生まれないような格好は、おしゃれではないんです。
そんなわけで、それぞれ工夫して、抜け感をつくってみたり、外してみたり、着崩してみたりしてみてください。ただ、どれもやりすぎには注意です。抜け感を通り越してエロに走ったり、着崩しを通り越して単にだらしなかったり、外しを通り越して変人になったりしたら、元も子もありません。何事もほどほどにやることが肝心です。
<TEXT/小林直子>
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【小林直子】
ファッション・ブロガー。津田塾大学学芸学部国際関係学科卒、文化服装学院卒。東京コレクション参加ブランドのパターンナー、大手アパレル会社の企画室を経て独立。現在、湘南エリアを中心に独自に開発したメソッドによるファッション・レッスン、各種ワークショップを開催するなど活動中。ブログ『誰も教えてくれなかったおしゃれのルール』
ファッションはコミュニケーション
小林直子
ファッション・ブロガー。大手ブランドのパターンナー、大手アパレルの企画室を経て独立。現在、ファッション・レッスンなどの開催や、ブログ『誰も教えてくれなかったおしゃれのルール』などで活躍中。著書『わたし史上最高のおしゃれになる!』など。
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