けれども、一番魅力を感じなくなるのは、人がそれを見飽きたときです。目の中にある一定以上の情報量が入ってきて、もう飽和状態になったとき、私たちは魅力を感じなくなります。そういう意味では、ボーダーだろうが、花柄だろうが、見飽きてしまったら、もう魅力を感じません。

では、その魅力を感じなくなる、見飽きる瞬間というのはいつかということです。
目安は、
お年寄りと小さい子供が着始めたときです。数年前、花柄のレギンスが流行って、お年寄りまではいていました。あのときは、もう花柄はおしゃれに見えませんでした。
また、去年あたりはお年寄りから子供までボーダーTシャツを着始めました。そうすると、ボーダーTシャツはもうおしゃれには見えなくなります。
例えば、自分が花柄レギンスやボーダーTシャツを着て街へ出て、同じ格好をしたおしゃれなおばあちゃまとすれ違ったらどうですか? うれしいですか? 残念ながら、そんなことはないでしょう。
私たちは、まだほとんど誰も着ていないときにそれを着るから、おしゃれと感じるのです。だからレアものや限定品が珍重されるのです。それでもボーダーをおしゃれに見せるためには、よほど工夫をして、そのすれ違ったおばあちゃまとはまったく違う装いをしなければなりません。つまり、そのボーダーに見飽きていない、目新しさを付け加えなければいけないのです。
というわけで、「ボーダーと花柄、どちらがおしゃれですか?」の答えは、「どちらも、見飽きていない目新しさを付け加える必要がある」ということです。

ディオール公式サイト http://www.dior.com/home/ja_jp
そのためには、
以前書いたように、流行という川の最上流であるハイブランド――ディオールでもグッチでも――のコレクションを観測するとよいでしょう。個人のインスタグラムのような、見飽きられる寸前のものを参考にしてはいけません。
<TEXT/小林直子>
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【小林直子】
ファッション・ブロガー。津田塾大学学芸学部国際関係学科卒、文化服装学院卒。東京コレクション参加ブランドのパターンナー、大手アパレル会社の企画室を経て独立。現在、湘南エリアを中心に独自に開発したメソッドによるファッション・レッスン、各種ワークショップを開催するなど活動中。ブログ『
誰も教えてくれなかったおしゃれのルール』