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秋田のバター餅は、うまくてまずい!【カレー沢薫の「ひきこもりグルメ紀行」】

カレー沢薫の「ひきこもりグルメ紀行」Vol.7 秋田「バター餅」】 バター餅 それは突然やってきた。  今までテーマとなる食材が送られて来る時は担当より「送りました」というメールが来ていたのだが、それすらなく、送られてきた荷物にもテーマ食材と納品書以外、何も入っていなかった。  うなぎパイの時にはやたら細かい資料が入っていたというのに、前回で何もかもが嫌になってしまったのだろうか、早すぎる。  このように担当が自暴自棄、筆者は歯周病という状態でも、食べ物というのは等しく美味いのだからすごい。ただそんな尊い食物をおいしく食べるためにも歯は大事にした方が良い。私が皆さんに伝えられる有益情報はそれだけだ。

あこがれのバター餅がやってきた

 そんな壊滅状態の本部に寄こされた今回の食材だが、一目見て「ラッキーだ」と思った。  別に食材の代わりにグーグルプレイカードが入っていたわけではない。そうだとしたらもはや手切れ金を渡される段階だ。  ラッキーだと思ったのは、それが前から食べてみたいと思っていたものだったからである。  その銘菓の名前は「バター餅」だ。  数年前、わが国が誇る日照時間最下位県、秋田が新しいパワーフードを打ち出して脚光を浴びていると聞いた。それがバター餅である。  バターと餅、これだけでもう強い。最強×最強であり、性格の悪いブスだ。  今考えうる限りで最も悪いたとえを言ってしまい申し訳ないことをした。つまり鬼に青龍偃月刀(せいりゅうえんげつとう)と言いたかったのだ。  私も、伊達に太るために生まれてきたわけではないゆえ、炭水化物にバターと言われたら黙っていられない。しかし秋田の名産だ。これからの人生、秋田に用があるとしたら、梅林園に行くぐらいだろう。なぜ梅林園かは各々ググってほしい。

時間が経っても、もちもち柔らかい

 そんなわけで、思いがけず、あこがれのバター餅が手に入ったことにより色めき立ち、歯茎の腫れも治まった。  まずバター餅の概要だが、材料はもち米、バター、小麦粉、卵黄、砂糖。  バターを入れることにより、時間が経っても堅くなりづらいため、マタギの保存食として重宝していたらしい。話題になったのは割と最近だが、歴史はかなり古いようだ。  炭水化物+バターと言えば、ご飯にバターとしょうゆを乗せた、アダムとイヴが食べて楽園を追い出されたことで有名な「バターご飯」をまず連想するが、バター餅は砂糖を使っているだけに甘く、どちらかと言うとお菓子寄りである。  まず食べてみないと始まらないので早速、袋を開けて食べてみた。確かに柔らかく、歯茎から血が止まらない30代の私でも安心して食べられる。
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一口食べて思った。「うまくてまずい」
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