
例えば、「黒染めした髪を明るくしたい」「縮毛矯正をかけているのにパーマをしたい」など、いくら経験を積んだ美容師でも論理的に無理なオーダーもあります。
美容師がきちんと説明をしても、なかなか納得してくれないお客さんが結構多いそう。美容師は魔法使いではありません。美容師の言葉に耳を傾ける余裕が必要でしょう。
初対面だと、その人の職業や好みなどといった情報がなく、美容師はどんな髪型にしたらよいのか手探り状態で困ってしまいます。
そういうお客さんに限って、よくよく話を聞いていくと「長さはこのくらいで~」と、実際はある程度決まっているけれど、うまく伝えられないから「おまかせ」と言っていることが多いんだとか。
これじゃあ結局、おまかせではないですよね。

マンツーで接客してくれる個人サロンでは、恋愛や家庭の事情など、重めの会話になりがち。人生相談をしていくうちに、泣いてしまう女性が案外多いそう。そうなると、施術が止まってしまいます。
美容師としては、そこまで心を開いてくれてうれしいと思う反面、「次の予約のお客さんが来ちゃう! 俺が泣かせたみたいだし、お客さん同士も気まずいだろうし……」と内心ハラハラなのだとか。
いつも素敵な髪型に変身させてくれる美容師も、美容師である前に、1人の人間。自分がお客さまだからといって自分本位になりすぎず、人に対する気遣いは忘れないようにしたいものです。
<TEXT/廣野順子>
―シリーズこんな客は嫌われる【7】―