ペットロスになったら無理をせず、まずは自分の今の状態を「
当たり前のこと」として受け入れ、
十分に悲しむことが大切です。
それには、同じように大切なペット見送った経験がある人や、ペットが与えてくれる幸せを知っている人、現実を受け入れられず、孤独感や無力感に陥っている自分をきちんと受け止めてくれる信頼できる人に話を聞いてもらうことが、とても役立ちます。
間違っても「
たがかペットじゃないか」とか「
また新しいペットを飼えばいい」などと言う人、言いそうな人とは距離を置きましょう。
ケフィが臨終の床に伏しているとき、私がいちばん傷ついたのは、ある人が笑顔で発した「
犬のために、そんなに時間を使えるなんていい身分ですね」という一言でした。言われた瞬間は、意味が理解できず、怒りもわいてきませんでした。ただただびっくりし、逃げるようにその場を立ち去りました。
心ない人に惑わされ、「たいしたことではない」「相手は人間ではないのだから」などと自分に言い聞かせ、
むりやり気持ちを上向かせようなどとは、けっしてしないでください。
私たちは「周囲を心配させたくない」という気持ちもあって、ついつい「早く元気にならなければ」と焦り、「もう大丈夫」と思い込もうとしてしまうことがあります。
でも、それはとても不自然なことだとは思いませんか? 何者にも代え難い最愛の存在を失ったのです。悲しみに沈み、生きる希望が見いだせなくなるのは、しごく当然のことです。
<TEXT/木附千晶>
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【木附千晶プロフィール】
臨床心理士。IFF CIAP相談室セラピスト。子どもの権利条約日本(CRC日本)『子どもの権利モニター』編集長。共著書に『子どもの力を伸ばす 子どもの権利条約ハンドブック』など、著書に『
迷子のミーちゃん 地域猫と商店街再生のものがたり』など