2. 出口が見えないときに:『夜明けの祈り』(8月5日公開)

『夜明けの祈り』より
第二次世界大戦末期にソ連軍兵士がポーランドのカトリック系修道院に押し入り、修道女たちをレイプし妊娠させるという、悲惨な実話を基にしたフィクション。ポーランドのフランス赤十字病院に勤務するフランス人医師マチルド(ルー・ドゥ・ラージュ)は、ある日、見知らぬ修道女に助けを求められます。

『夜明けの祈り』より
修道院でマチルドが目にしたのは、お腹が大きくなった修道女たち。妊娠した事実をどうしても受け止められない修道女たちと、コミュニストで無神論者のマチルドが国籍、宗教や信念を超えて心をひとつにしていきます。

『夜明けの祈り』より
ドラマチックな演出はないのに、修道院と冬の自然の静謐さが事件の残酷さをひときわ際立たせて、胸に迫ってきます。ラストシーンには思わず涙が……。絶望のなかで希望を見い出すヒントがもらえる作品です。