形は明らかに見本と違うが、もちろん味は大丈夫である。ちりんちりんあいすは、アイスというよりはシャーベットに近い食感でミルクセーキのような味だが、「アイスだがカロリーは低い」と謳われているように、さっぱりしている。夏に屋外で食べるにはちょうどいい。

ちりんちりんあいす箱詰め https://www.e-nagasaki.com/
味はプレーンなミルク味に加え、いちごや、チョコ、長崎らしくカステラ入りなどもあるようだ。
私は、カップアイスに、カステラが埋め込まれている(細かく切ったものではなくスタンダードな1カット)男らしいカステラアイスを見たことがあるので、これもバラにカステラが突き刺さっている前衛的なやつかな、と思ったら、アイス自体にカステラが配合されている模様だ。
味を選んで、お取り寄せできるようなので、子どもがいる家庭へのお中元にしたら喜ばれるだろう。
だが、もし私の子ども時代に、このちりんちりんあいすがうちに来たとしたら、4歳年上で私より器用な兄の方が上手く作っただろうし、それを見て私はふてくされて泣いたと思う。大人しい兄に食ってかかったかもしれない。
そういう家庭ではケンカの元にもなるかもしれない、ちりんちりんあいすだが、アイスで大いに泣いたり笑ったりできるのは、やはり子どもの時だけなので、子どものうちに、泣いたり笑ったりしておけばよいと思う。
<文・イラスト/カレー沢薫>
【カレー沢薫(かれーざわ・かおる)】
1982年生まれ。OL兼漫画家・コラムニスト。2009年に『
クレムリン』で漫画家デビュー。自身2作目となる『
アンモラル・カスタマイズZ』は、第17回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品に選出。主な漫画作品に、『
ヤリへん』『
やわらかい。課長 起田総司』『
ねこもくわない』『
ナゾ野菜』、コラム集に『
負ける技術』『
もっと負ける技術 カレー沢薫の日常と退廃』『
ブスの本懐』などがある