“ウエストポーチ”が復活!グッチに学ぶ、おじさんぽくならない取り入れ方
【モードをリアルに着る! Vol.3/小林直子】
グッチの2017年秋冬コレクションで、印象的なバッグとして、ベルトのついた、いわゆるベルトバッグが登場します。メタルのセミとライオンの頭で装飾された楕円形のそのバッグは、コーディネイトのポイントとして、ジャケット、セーター、シャツと、ありとあらゆるものと合わせられています。
思い起こせばグッチがこのベルトバッグを登場させたのは、クリエイティブ・ディレクターであるアレッサンドロ・ミケーレによる初めてのウィメンズのショーであった、2015年秋冬のコレクションにおいてでした。
そのコレクションでのベルトバッグは、コートの上からしめられたベルトの背中部分に、目立たず、控えめに存在していて、今ほど強くその存在を主張したものではありませんでした。
しかし、久しく見ていなかったベルトバッグの使い方として新鮮でした。先見の明のある多くの人たちがひそかに、これから使えるなと思って、ベルトバッグが使われたルックの画像をクラウドのノートに貼りつけたことでしょう。
さて、このベルトバッグを含む、手が自由になるハンズフリーバッグ、形としては新しいものではありません。90年代はソニア・リキエルがキルトのバッグをベルトに通したものを作っていましたし、今でもいわゆるウエストポーチとして山登りやハイキングの必携バッグとして普通に売られています。
このベルトバッグの例を見るまでもなく、多くの人々が忘れたころに、昔からあって、今はもう流行っていないアイテムがいきなり戻ってきたりするのがファッションというものです。
グッチがリバイバルさせたベルトバッグ
飽きられたアイテムが新解釈で登場するのがファッション
誰かもしくはハイブランドが発信し、少量が作られる。その後、コピーされて大量生産される。その結果、多くの人が所有するようになる。そして最終的に多く出回りすぎて飽きられるというのが流行のサイクルです。 そうやっていろいろなアイテムやスタイルが出ては消えていきます。実際、まったく新しいアイテムやスタイルは、そんなに多くはありません。ほとんどはもう過去に存在したことがあるものです。 そして、もう人々が忘れたころに、また誰かやハイブランドが新しい解釈を加えて発信する、同時代のデザイナーや流行に敏感な人たちがそれを評価する。多くの新しい解釈を加えられ洗練されたデザインで生まれ変わった、その1度は飽きられたアイテムがまた流行る――というサイクルを繰り返すのがファッションの常です。
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