しかしここでも問題があります。赤いブーツがほとんど売っていないのです。私もショッピングモールやセレクトショップをチェックしましたが、皮革ではなくストレッチべロアでできたショートブーツが1種類あっただけで、あとはまったくありませんでした。
赤いブーツはまだまだ少ない ※写真はイメージです
その理由は大体推測できます。赤は売れないと判断してメーカーが作らないからです。
私もアパレルメーカーにいたことがあるのでわかりますが、例えばセーターを作る場合、白、ネイビー、赤のように、並べて美しく、着ても楽しいだろうということで赤を入れて作ります。しかし、
赤はことごとく売れ残るのです。
日本では特に、赤を珍重するのはお年寄りで、おじいちゃんやおばあちゃんが赤いセーターやベストを着ているのを見たりしますが、20代から50代の女性で赤を選ぶのは少数派。街を歩いてみれば、赤いものを身につけていない人がほとんどです。
赤いセーターは売れ残る? ※写真はイメージです
なぜそこまで赤が嫌われるのか、私もよくわかりませんが、目立つのが嫌なのか、難しいと思われているのか、とにかく赤は売れません。
あまりにも作っても売れない年月が続いたからでしょう。アパレルメーカーや靴やバッグのメーカーは赤いものをほとんど作らなくなってしまいました。今では赤いブーツのみならず、赤いセーターさえ探すのは難しい状態です。売っていないこともありませんが、選べるほどのバラエティはありません。
しかし
やはり赤はかわいいのです。私も20代のころ、赤いショートブーツでコレクションの裏方としてバタバタ走っていましたが、ショーのために集められた外国人モデルたちから赤いブーツは絶賛されました。赤いブーツには世界に通じるかわいらしさがあるようです。
やっぱり赤のブーツはかわいい SPIRALGIRLのプラットフォームハーフブーツ 11772円 ※画像:WEAR
もちろん赤が多く出てきたのは2017年秋向けのランウェイですから、多く市場に出回るのは来年以降になるでしょう。今年は手に入らなくても、来年はもう少し多く生産されるかもしれません。
赤が好きで、レッドブーツをはきたいという方は、今からチェックして、理想のレッドブーツに出合ったときはすぐに買えるようにしておきましょう。行き当たりばったりでは見つからないかもしれませんが、時間をかけて根気強く探し続ければ、理想の一足に出合えることでしょう。
<TEXT/小林直子>
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【小林直子】
ファッション・ブロガー。大手ブランドのパターンナー、大手アパレルの企画室を経て独立。現在、ファッション・レッスンなどの開催や、ブログ『
誰も教えてくれなかったおしゃれのルール』などで活躍中。新刊『
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