「体育会出身で、ちょっとナルシストなC男先輩。ある朝、
職場のLINEグループに『
いや~38度もあるわ~』
とわざわざ体温計の画像を送ってきました。
その日は当然休むだろうと思ったんですが、なんと普通に出勤してきたんです。後輩たちは内心『
うつされちゃ困る』と思いながら『来て大丈夫なんですか!?』と駆け寄りました」と、OLのD子さんは語ります。
「C男先輩はなぜか得意げで、病院に行くよう勧めても『そんなヤワじゃねえよ』の一点張り。『
体調不良をものともしない俺、かっこいい』『
人前で弱さを出すのはかっこ悪い』と思っているようでした。熱でサルみたいに赤い顔をさらして、何を言ってるんでしょう」
言っても聞かないC男先輩の説得はあきらめ、
その日はチーム全員マスク着用で、自己防衛をしながら乗り切ることにしたそうです。それでも、当のC男先輩だけが、まったく気づかず…。
「『みんなでお前から身を守ってるんだよ! さっさと病院に行けーー!』と言いたい気持ちをグッとこらえながら、仕事をしていました」とD子さん。
結局この日の午後、出張先から帰ってきた上司が「
C男、今すぐ帰りなさい。この部署が“学級閉鎖”になったらどうする? お前が一番つらいぞ。仕事はメールで僕に投げてくれればいいから」と、C男先輩をあっという間に説得。おかげで丸く収まったそうです。別の社員が、状況を上司に連絡していたのでした。
「上司に心の中で拍手を送りました! C男先輩は病院で検査をしたらインフルエンザで、しっかり1週間の休みを取ることになりました」と、最後はスッキリ顔で語ったD子さんでした。
以上、「マスク外したらブスだな」と言われて久しい記者より、マスク事件簿をお届けしました。ちなみに自分は喘息もちなのですが、電車で咳をすると周りの視線が怖いので、いろんな意味でマスクが手放せません。
皆さんも健康と咳ハラにはくれぐれもお気をつけくださいね。「マスクは人のためならず」ですよ!
<TEXT/下福 礼子>