「ブランド物のバッグも好きなアーティストのグッズも、フリマサイトで売ったり捨てたりしてすべて手放しました。物だけでなく、大学時代に付き合っていた人と連絡を取っていたんですが、すべて削除しました。前までは読み返していたりしていたのに。
こうなった理由は自分でも分からないんですが、
いくら売っても捨てても満たされないんですよね」
写真はイメージです。
買い物依存症からミニマリストに。これにはどういう心理が隠されているのでしょうか? 昭和の漫画・駄玩具コレクターで、『
ぼくらの60~70年代宝箱』の著者でもある黒沢哲哉氏に話を聞いてみました。
「買い物依存症から急に片付け始めるというのは、割とあると思います。もともと物が欲しいわけではなく、
精神的なストレスを買うことか捨てることで満たしているんだと思います」
では、智子さんのように捨てても捨てても満たされない場合、どのような対処をとればよいのでしょうか。
「物を捨てるだけでなく、物が減ったことを自分に認識させるために、片付けることが重要です。整頓しなくてもいいので、
物が減った分だけ空間を作ると気持ちが落ち着くと思います」
なるほど、「減った」「捨てた」ということを、視覚的にもハッキリ認識できるようにするのですね。こうして見ると、買い物依存と極度のミニマリストは、紙一重なのかもしれません。
ストレスの原因を取り去るなり、自分なりの着地点を見つけるなりできれば理想的ですが、思い通りにはいかないのが人生。せめて一時の衝動に左右されず、本当に欲しい物を見極められたらいいですね。
【カワノアユミ】
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。裏モノ・夜ネタを主に執筆。編著書に『
旅の賢人たちが作った最強ナビ』(辰巳出版)など。4月8日に新刊『
底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』発売。Twitter:
@ayumikawano