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愛犬の寿命を縮めた…?ペットの介護で裏目に出てしまったこと

16歳の愛犬を亡くした心理カウンセラーが考えるペットロス Vol.13>

 16年一緒に暮らしたゴールデン・レトリーバー「ケフィ」を、2017年4月に亡くした木附千晶さん(心理カウンセラー)。ケフィはメニエール病などと闘い、最後は肝臓がんで亡くなりました。前後して3匹の猫も亡くし、木附さんは深刻なペットロスに陥ります。自分の体験を、心理カウンセラーとして見つめ、ペットロスを考えます。
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「やれるだけのことはやった」と思えるために



「介護」や「看取り」と呼ばれる時間が、「愛する動物が旅立ったときに『やれるだけのことはやった』と思えるようにするための大切な別れの準備期間かもしれない」と思っていても、実際にその時間を過ごすことはなかなか辛いものです。

ケフィと車でお出かけ

ケフィと車でお出かけ

 ついこの前まではやれたはずのことが、ひとつ、またひとつできなくなっていく愛するペットを目の当たりにし、お散歩や季節ごとのおでかけのように「長年、当然のように過ごしてきた時間」がなくなっていくという喪失体験を重ねながら、「今、やれること」や「今、すべきこと」を考えながらずっと向き合っていくことは、けっこうなエネルギーを必要とします。

 そんな苦しい時間を過ごすくらいなら、「きっと大丈夫」と根拠のない期待にすがって現実を否認したり、「何をしてももう無駄なんだ」とあきらめてしまったほうが楽に感じてしまうこともしばしばです。

 ケフィが特発性メニエール病に倒れた後、私もずっと否認とあきらめの間を行ったり来たりしていたような気がします。

「筋力維持のため」が裏目に



 ケフィの老いを受け入れきれなかった私は、前回も書いたように筋力を維持させようと、毎日の散歩では斜面や階段のある場所を歩くようにし、休みの日には海や山へと連れ出しました。近所の公園やいつもの散歩コースでは、わくわくすることが減ってきたように見えたケフィも、自然のなかに連れ出すとその足取りが軽いように感じたのです。

 そんなケフィを見ることは、私に「やっぱりケフィの生命力はすごい。こうやって楽しみながら体を鍛え続ければ体力も筋力も維持できるはず」という楽観的な希望を与えてくれました。

カヌーに乗るケフィ

カヌーに乗るケフィ

 しかし、その筋力維持のためにやったつもりのことが裏目に出ました。メニエール病が回復してから約半年後の2015年5月、ケフィが再び立ち上がれなくなったのです。

 動物病院で検査を受けると「股関節の周辺の骨がボロボロになっている」とのこと。原因ははっきりとは分かりませんでしたが、「運動のさせすぎ」の可能性もありました。数日安静に過ごすことでまた立ち上がれるようにはなりましたが、獣医師からは斜面や階段を歩かせないよう、こう言われました。

「もう14歳なんですから、体に負担がかかることは止めてください。とはいえ運動をしなくなると筋力も落ちてしまいますから、散歩は続けてください。骨がもろくなっているからこそ筋力を鍛えることが大切になります。なるべく平らなところで、無理のない範囲で歩かせてあげてください」

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何が正解で何が不正解なのか…自分を責めたことも

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