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彼の浮気で結婚式を中止!多額のキャンセル料をめぐるバトルが、裁判にまで発展…

「力では勝てなかったから…」用意した武器は?

「元彼は、たいして格好良くもないのに、いつも服や髪型に悩んで、外見を気にするタイプでした。今回は彼のコンプレックスを刺激しようと、完璧なイケメン弁護士を探し出して依頼しました。もちろん、評判の良い優秀な弁護士さんの中でです」  もともと大学で法学部の友人が多かったミズホさんは、コネをたどって、理想のイケメン弁護士を見つけ出します。浮気やDVの話を聞いた弁護士も完全にミズホさんの味方に。「少なくとも、ウン百万をミズホさんが払う義務はないからね!」と。キラッキラの笑顔で力強く宣言してくれたそうです。 弁護士「いざ裁判が始まったら、あとは全て弁護士さん任せ。最初に証拠を揃える作業は大変でしたが、その甲斐(かい)あって、裁判では彼をフルボッコにできたみたいです。生で見てないので“イケメン弁護士作戦”が効いたかどうかは謎ですけど、場面を想像するだけでプププってなってました(笑)」  裁判での彼の反論は支離滅裂(しりめつれつ)で、「あの女は会社の上司の愛人をしていた」「式場の契約書は偽造で、婚約していたのは他の男」「俺は遊ばれて捨てられたのに、金を巻き上げられそうになっている」……など、あきれるような作り話ばかりだったとか。 「デタラメにしても気分悪いですよね。だけど弁護士さんはいつも、彼のダサい髪型や服装へのツッコミ、おバカすぎる反論にどう返したかの報告など、私が笑える話をクッションにしながら明るく話してくれたんです。本当に救われましたね」  かなり深い精神ダメージを受けていたミズホさんでしたが、彼とのことは早く忘れたほうがいいと判断した弁護士さんの気遣いで、徐々に元気を取り戻していきます。  そして半年あまり経ったころ、弁護士さんから連絡がありました。

元彼との関係が、この先何十年も続く……?

「勝訴はほぼ確定。キャンセル料全額と、慰謝料も取れると。ただ、彼にお金がなさすぎて……慰謝料が分割払いになると聞きました。しかも、何十年もかけて」  慰謝料の金額は、ミズホさんが把握していた彼の収入・財産を元に決めていました。でも彼にはミズホさんに隠していたローンの返済や借金があり、さらに途中から雇いだした弁護士の費用も、借金でまかなっていたのです。 「どこまでダサいのーー! と、あきれましたよ……」 借金「分割払いの慰謝料」をミズホさんは拒否。元彼からは“それなりの額”だけを一括で受け取り、裁判沙汰をおわらせました。結婚式場のキャンセル料だけは、全額しっかり元彼の借金へ追加となりました。 「ダメージは十分与えたし、この先の苦労も確定させた。反省の色は見えなかったけど、私の気は済みました。何十年も彼と接点を持ち続けるなんて絶対イヤですから」  もしかしてアレは、慰謝料を値切るために相手の弁護士が立てた作戦……? と思うこともあったものの、仮にそうであったとしても後悔はないそう。 「少しだけ受け取ったお金も、なんだか汚い気がして。早く使い切りたかったので、心配をかけてしまった人たちにアワビをご馳走してプチ豪遊しました。スッキリしましたよ。何より、アレと結婚せずに済んで本当によかったと思えました」  もし男性からヒドい目に遭わされたら。適切な味方をつければ、泣き寝入りせずにこうやって復讐することもできるんですね。その後ミズホさんはしばらく「私の目はふし穴、私は見る目ゼロ……」と男性不信に悩んだものの、今は新しい彼と幸せに暮らしているそうです。 ―自分史上最悪の恋愛― <TEXT/ミノシマタカコ、女子SPA!編集部 イラスト/やましたともこ>
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