LGBTの旗の色レインボーを身につけるのは今最もファッショナブル
【モードをリアルに着る! Vol.29/小林直子】
アドワ・アボアがトップを務めるバーバリーの2018年の春夏コレクションは、2001年からクリエイティブ・ディレクターであるクリストファー・ベイリーの最後のショーとなりました。
そんなクリストファー・ベイリーが最後のコレクションで提案したのは、すべてのアイテムにレインボーカラーを使うこと。
そしてこのレインボーカラーをペイントしたスカートをはいているのは、ミックスト・レース、つまり、人種のミックスであるガーナ系イギリス人のアドワ・アボア。この2つのことが意味するのはダイバーシティ、つまり人々の多様性であり、ファッションは、人々の多様性について支持、支援していく立場にある、ということです。
レインボーカラーのものを持つということは、それを持つ人もまた、人々の多様性を大切にするということであり、LGBTも含めて、積極的に認めていくつもりであるということを社会に対して表明することになります。
そうして、この社会に対するアクションもまた、最もファッショナブルな行為であると言えるのです。
ファッショナブルであるということは、ただ単に、最新流行のものを着るというだけではなく、社会をよりよくしていくための価値観を積極的に支援、表明することも含まれます。服は好きだけれども、社会のことなんてどうでもいいという態度は、決して本当の意味でファッショナブルとは言えないのです。
クリストファー・ベイリーが入る前のバーバリーは、アイコニックなトレンチコートで有名だけれども、モードとは呼びがたい、クラッシックなスタイルを提案するブリティッシュトラッドを代表するブランドでした。 それがクリストファーが入った途端、少し退屈で、いつも代わりばえのしないものを作り続けていたバーバリーが、モードの最先端をいくハイブランドとなり、発表するコレクションは常に注目の的でした。
レインボーカラーを使うことが示すのは…
このルックのように衣服の上からレインボーカラーをペイントしたり、バッグや帽子、ストールに使ったりと、ありとあらゆるところにレインボーカラーは出現。そしてこのショーの最後に登場したのも、レインボーカラーの大きなマントを着たカーラ・デルヴィーニュでした。
レインボーカラーは、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー(LGBT)の尊厳とLGBTの社会運動を象徴する旗の色です。 この色が意味するのは、人々の多様性であり、ファッションでこのようにレインボーカラーを使うということは、ファッションはLGBT運動を支持し、社会がより多様性を認めるように、LGBTの人々を支援していくことを表明しているということです。

バーバリー「ラージ レインボー ヴィンテージチェック ポーチ」※バーバリーの公式HPより https://jp.burberry.com/large-rainbow-vintage-check-pouch-p40772331
社会に対するアクションもファッショナブルであることに含まれる
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