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「女の子は泣いていても悲しいとは限らない」とカリスマホストは言った|辛酸なめ子

売れるホストは男に評価される男

 関先生は「ホモ・ソーシャルな男社会」とおっしゃっていましたが、体育会系な縦社会で、人情とか仁義が息づく世界のようです。手塚さんも「ホストは猿山のようにボス猿がいて、男の絆を大切にする社会。男に評価される男が残っていきます」と同意します。
語り口からインテリジェンスが感じられる手塚さん語り口からインテリジェンスが感じられる手塚さん語り口からインテリジェンスが感じられる手塚さん

語り口からインテリジェンスが感じられる手塚さん

「自分は情に厚いだけの人間なんで」と言う獅龍さんは、「尊敬するのはグループ会社の社長です。何があっても守ってやると言われて、かっけーと思った」と、男の世界を大切にしています。やはり同性に信頼されるタイプがホスト界で生き抜けるようです。  対して葵さんは「自分の上にいる人は必ず抜いて頂点に立とうと思ってるんで」と言い放ちました。クールな見た目と時々出るオラついた発言のギャップがいいです。

イケメンのいるバーとホストクラブの差は?

 ホストの敷居が低くなってきた今、どのように差別化するべきか? という議題も出されました。  獅龍さんは「お金を稼いでいるのがホストだと思うんです。最低でも3桁、500万円から。イメージでは女の人からお金を巻き上げて稼いでいる、というのがホストかもしれません。でも俺は傷つける嘘はついてこなかった。売れてえ、勝ちてえ、負けたくないという気持ちを応援してもらって、ここまでのぼりつめました」  と、生々しいお金の話も野望に絡めてさらっと語りました。
世の中の男性にも見習ってほしい

「女の人の顔色を見るのが大切」「一年間返事がなくても毎日営業メールを送り続けます」などとおっしゃるお二人。世の中の男性にも見習ってほしいです

 葵さんは、「ホストならではのスキルはシャンパンコール」だと語ります。いわば伝統芸能のようなもの。 「上品なお客様の時はコルクをはじく時もスッと抜きます。騒ぎたい気分のパリピのお客様の時はパーンと抜きます。泡がシューッてなってウェーイ! って言うんです。僕は店舗をオープンした時、シャンパンコール日本一のお店にしようと思い、毎日練習させました。毎月新しいシャンパンコールを考えたり、DJブースも設置しました。あと「枕」「色恋」とか夜っぽいワードは使わず、心地よく聞けるコールをやっています」  そこまで考えてくれて練習までしてるのなら、10万円とかかかっても良いような気がしてきます。ホストの方々の説得力ある語り口調に次第に洗脳されていきます。  ちなみに営業スタイルには「友営」と呼ばれる「友達営業」と「色恋営業」があるそうで、「友達営業を求めているお客さんには逆に色恋営業をしかけて、別の楽しさを知ってもらいます」と葵さん。魔性の男子は油断できません。
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女の子が泣いているからといって悲しいとは限らない
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