合コン中の集合写真でウィッグがズレて、顔がなくなってしまったコトもあります。
「撮るよ~!」とポーズを決めていたら、後ろから男子が割り込んできたんです。そしてその男子の腕が髪を巻き込み……ウィッグが前にズレて、私の顔の上半分にかぶさったのです。
一瞬の出来事で、私も瞬時になおしたのですが、写真ではカオナシの私が……、背筋が凍る思いでしたね。不幸中の幸いで、写真を撮ったのが事情を知っている友人のスマホだったため、すぐに消してもらうコトができました。
今思えば、取っといてもネタになったかなぁ!? とも思いますが。
最後は、比較的最近の、ここ数ヶ月内に起きた事件です。
現在、根治(こんち)はみえてきているものの、乳がん摘出手術で転移していた脇のリンパ節も切除したため、リンパの流れが悪くなり腕がむくんでしまう“リンパ浮腫(ふしゅ)”という後遺症を発症しています。
これがなかなかの太さで、片側の腕の2倍くらいの太さにまでなっていた時期も。
上肢の静脈血、リンパ液のうっ滞を軽減・予防するための「医療弾性スリーブ黒」(アズワン)Amazon販売ページより
なので、弾性スリーブ(腕を細い状態に保つ下着)を着用したり、夏でも袖のある服を着て目立たないようにしているのですが、とある合コンで隣にいたタイプの男性に「もっとこっちにおいでよ」と腕をつかまれたのです。
その瞬間、私の腕の太さに気づいた彼は驚きを隠せない表情で「腕……太過ぎじゃね!?」とのたまい、さらに「俺より太いよね。重量上げとかやってたの!?」
もちろん彼とはそれっきり。傷つきましたが、それ以上に気持ちが萎えてしまいました。
乳がんを経験して“見た目ではその人のコトなんて何も分からない”と気づき、人を外見で判断しなくなりました。
また辛い治療を発想の転換で楽しんだり、人生が有限であると思い知り、漫画家になる夢を叶えたり、たくさんのコトにチャレンジできました。
根治に向かっているからいえるコトですが、「乳がんになって良かった」とすら思っています。現在がんの人も、そうでない人も、本書で少しでも前向きな気持ちになってもらえると幸いでございます。
<文/白戸ミフル>
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