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離婚するより別居し続けるのが得?夫のお金を離さない妻たち|離婚110番

 開設以来35,000件を超える相談が寄せられる「離婚110番」のカウンセラー・澁川良幸氏。現在も毎日のように離婚だけでなく、夫婦問題の解決法も澁川氏にアドバイスを求める人が後を絶ちません。
離婚の悩み

写真はイメージです(以下同じ)

 そんな中、妻側がうまく仕掛けて、離婚するよりも有利にコトを運ぶエピソードもあります。特に子供を抱えて離婚したシングルマザーは約半数が貧困状態に陥るというデータもあり、あわてて離婚するより賢く立ち回りたいもの。夫に愛想をつかした人はご参考に!

1.別居のまま何年も引きのばす

 ひとつは、家を出て別居したまま、「そのうち戻る」ようなあやふやな状態を続ける方法です。  澁川氏はこれを「同居するするサギ」と呼びますが、「実際の詐欺ではなく、実際の夫婦のエピソードから私が勝手につけたネーミングです」とのこと。 「夫の浮気やDV、言葉によるパワハラなどが原因で、妻が子供を連れて出て行ってしまう。最初は離婚を覚悟していた妻でも、個人差はありますが月8万円から20万円ほどの生活費を夫から払ってもらううちに『これって、楽だわ!』と思うようになるんです」  嫌な夫の世話なんかせずに生活費をもらえ、実家で暮らす場合は子供を両親に見てもらえるので、専業主婦だった妻がパートに出て稼ぐようになったり、またこれまで夫の世話が忙しくてチャレンジできなかった正社員にもなれたりするというのです。    別居中の生活費を出さないケチ夫だとめんどうですが、「戻ってきてほしい」と思ってる夫ならお金を出しそう。それに、法律的にも「婚姻費用」(通称、婚費=コンピ)というのがあって、離婚するまでは夫婦が同レベルの生活を維持できるだけの生活費を請求する権利があるのです。裁判所が婚姻費用の算定表も作っており、ヘタに離婚するより得な場合も。 家出妻「妻としては別居したほうが今までよりずっと楽な生活ができることも。一方夫は3年から5年も過ぎると焦れてしまって『どうするの? はっきりしてほしい』とせかすんです。  妻は元の生活に戻るつもりはないものの、かと言って離婚すると自分も子供も苗字を変えなければならないなど、やっかいです。さらに、夫から支払われる生活費もなくなってしまいます。  たとえば両親と同居している人だと、両親の年金と自分の稼ぎを合わせて月30万円で暮らすとします。これではカツカツの生活ですよね。でも夫からもらえる生活費があると、少し余裕が出てきます。  そのため妻が、『もうちょっと待って』と、再び同居するように見せかけて、今のままの別居生活を維持しているんです」 家計 その後も「どうするの? 同居するの?」という夫に、妻は「母が体調悪くなって」などと先送りしたまま、ずるずる5年、10年と別居している夫婦もいると言います。 「夫が『これって、サギじゃないですか!』と怒っても、子供のことを考えると別れられない。そんな夫には、妻に渡す生活費を少し下げたらとアドバイスします」  多少生活費を下げられても、嫌な夫と別居できて生活費が入るならラッキーと思う妻は、「もうちょっと、待ってね」を繰り返すそうです。特に、離婚しても財産分与で取れる資産(貯金・不動産など)が少ない夫だと、このズルズル作戦のほうが妻に有利かもしれませんね。
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「離婚するするサギ」とは?
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