ボリュームのあるブラウスに合う意外なボトムは?上級者に見える選び方
【モードをリアルに着る! Vol.46/小林直子】
洋服全体のシルエットがタイトなものからビッグなものになるにつれて、それまでのタイトな時代には駆逐されてしまっていた衣服の各種ディテールが復活し、それが定着したのが今だと言えるでしょう。
そのディテールとは、フリル、プリーツ、ギャザー、ラッフル、リボンなどです。
フリル、プリーツ、ギャザー、ラッフル、リボンを取り入れることによって生まれるのはボリュームです。
どれも生地の分量を多く使いますから、おのずとボリュームが生まれます。
身頃自体を大きくする、つまり身体と衣服のあいだの空気の体積を大きくするだけではなく、こういったディテールも同時に取り入れることにより、シルエットはいっそう大きくなります。
通常、フリル、プリーツ、ギャザー、フリルといったディテールはフェミニン、つまり女性的であるとされています。
しかし西洋の服飾史をひもといてみればわかるように、フリルもプリーツもギャザーもラッフルも、そしてリボンやレースも、もとは男性が着用していたものでした。太陽王と呼ばれたルイ十四世の衣装を思いだしていただければ、そのことがわかるでしょう。
私たちが今、女性らしいと思っているフリルもギャザーも、今でこそ男性はほとんどこういったディテールがついた服を着ませんが、過去には皆こぞって着ていたのです(もちろん今でも着たい方はどうぞ!)。
よって案外フリルやギャザーというものは、それこそ男性しか着ることがなかったパンツとはたいそう相性がいいのです。
まずは、ギャザーがたっぷりとられ、レースが使われていたり、刺繍が施してあるブラウスを見つけましょう。ボリューミーな袖のブラウスはここのところずっとはやっていましたので、念入りに探せばお気に入りのものが見つかるでしょう。
また、凝った刺繍やレースを施したブラウスは東欧やウクライナのヴィンテージのブラウスにもよく見られるので、そんなものを探してみるのもいいかもしれません。
フリルやギャザーは、案外パンツとは相性がいい
2018年プレフォールのイザベルマランの、このギャザーやプリーツ、そしてカットワークレースがふんだんに使われたブラウスに、薄い緑のパンツを合わせたルックは、フェミニンとマスキュリンを合わせた甘辛ミックスというよりも、女性が男性服を着たときのようなジェンダーレスな雰囲気を醸(かも)し出し、着る人の女性らしさを一層引き立てる結果になっています。 それは、ホワイトレースブラウスをフェミニンなスカートをギャザーやプリーツのスカートを合わせるよりも、その人自身の持つ女性性の側面をより際立たせます。 では私たちがこのスタイルを再現するにはどうすればよいでしょうか。
ギャザーがたっぷりとられたレースや刺繍入りのブラウスを見つける
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