問題なのはこれにあわせるボトムです。
ボリュームのあるブラウスに、同じようにボリュームのあるスカートを合わせるのも悪くはないでしょう。しかしここではあえて難易度を上げて、イザベルマランのようにモード風に見せるため、メンズライクなパンツを合わせる方法を選びましょう。
ボリュームのあるブラウスには、あえてメンズライクなパンツを ※画像:WEAR
この写真のルックは、デニム素材のパンツを合わせていますが、疏毛(※編集部注:そもう。光沢のある、高級メンズスーツ地などに多く使われる糸)のウールでもいいでしょう。
シルエットも腰のラインを強調するようなぴったりするものではなく、ストレートラインで、身体のラインがはっきりわからないようなものを選びましょう。
このルックではパンツは薄い緑色ですが、これから秋が近付くにつれて、よりダークな色合いのものでもいいでしょう。
ダークな色合いのパンツに、レースアップシューズを合わせて ※画像:WEAR
足元は、このルックではバックルのついたバレリーナシューズを合わせていていますが、やはりここもメンズライクなパンツに合わせてレースアップシューズか、またはショートブーツを選択するのもいいでしょう。
マレーネ・ディートリッヒ「Deluxe: The Naughty Lola」2012 Puzzle Productions/DMI
女性の男装はいつの時代でも心そそらせるものです。古くはマンガの『リボンの騎士』のサファイア、『ベルサイユのばらの』のオスカル、そして女優ではマルレーネ・ディートリッヒの男装スタイルなどがありましたし、最近でも、宝塚の男役は人気です。
女性の男装はいつの時代でも心そそらせるもの ※画像は『ベルサイユのばら-オスカル編-』 雪組 のDVD・Amazonより
女性の男装にはあらがいがたい魅力があり、時にそれは、フェミニンな女装以上のものとなります。
マンガの主人公でもなく、女優でもない一般の私たちが、どこまでこの「あらがいがたい魅力」を作れるかわかりませんが、チャレンジしてみるのは悪くないでしょう。やってみないことにはわかりません。
女性の中にも必ずある男性性のかっこよさを、衣服を通して表現してみては ※画像:WEAR
一人の人間の中には女性性、男性性、両方存在しています。実際、男女の境目はあいまいです。
今のところ、女性は女装、男装、どちらでも選べます。女性の中にも必ずある男性性のかっこよさを、衣服を通して表現してみてはどうでしょうか。自分でも知りえなかった自分の知らない側面に、きっと出会えることでしょう。
<文/小林直子>
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【小林直子】
ファッション・ブロガー。大手ブランドのパターンナー、大手アパレルの企画室を経て独立。現在、ファッション・レッスンなどの開催や、ブログ『
誰も教えてくれなかったおしゃれのルール』などで活躍中。新刊『
わたし史上最高のおしゃれになる!』は発売即重版に