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不倫夫にビョーキをうつされて…それでも離婚できない妻のもどかしさ

不倫発覚、その後。 Vol.7>  不倫事情を長年取材し著書多数のライター・亀山早苗さんがレポートする、不倫発覚後の“夫婦の行方”。(以下、亀山さんの寄稿)
夫婦の約束

写真はイメージです(以下同じ)

「浮気したら離婚だからねって、結婚当初から言っていたんです。でも結婚して14年たったところで本当に浮気が発覚したとき、離婚したくてもできなかった。生活と子どもを人質にとられたのが自分の人生だったのかと初めて気づきました」  絶望的な表情でそう話してくれたのは、ミドリさん(44歳)だ。29歳で2歳年上の男性と結婚し、14歳と10歳の子どもがいる。

「家にいてほしい」夫の頼みで仕事を辞めた

「会社から派遣された仕事関係のセミナーで知り合ったんです。3日間の集中セミナーで、初日に隣だったのが彼。なんとなく話をするようになって、最終日にみんなで食事に行って。そこからグループで会ったりふたりきりで会ったり。つきあって2年ほどで結婚しました」  仕事に燃えていたミドリさんだが、結婚にあたっては「子どもが産まれたらしばらくは家にいてほしい」という彼の気持ちを優先した。 「彼のことが好きだったから目がくらんだんですよね、あのときは。彼の家が自宅とは別の場所で商売をしていて、いつもひとりぼっちだったと聞いて同情しちゃって。  ただ、私も自分が使えるお金がないと『あなたに飼われている気がするから仕事を続けたい』と言ったんですよ。そうしたら彼が、そういう考え方はおかしい、と。役割分担するだけじゃないかって。それも一理あるかなとは思って、揺れながらも出産を機に退職しました」 子育て 子育ては楽しかった。夫も意外なほど子煩悩な一面を発揮し、家庭ってこういうものなんだろうなとしみじみ幸せを感じたという。 「うちの父は家庭を顧(かえり)みないタイプだったし、私は遊んでもらった記憶もほとんどないので、夫の父親としての面が新鮮でした」  上の子が中学に入ったのを機に、近所のスーパーで週に4回ほどパートで働くようになった。あくまでも「家庭や子どもに支障がないように」働いてねと夫には言われた。そこにも違和感はあった。なぜ自分だけが「働かせてもらう」状態なのか。このお金はそのまま家計や子どもの教育へとつながっていくのに。 「妻だから、母だから、夫に働くことを許してもらっているって、なんだかおかしいですよね。でもそれを覆すだけの経済力が私にはないのも事実。そこがなんとも悔しかった」  ただ、独身時代、流通関係の仕事をしていたので、パートとはいえ「わりと重用してもらっているので職場の居心地はいい」そうだ。
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思わぬ形で、夫の浮気が発覚
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