月収12万の非正規マッサージ師として働くアラサー女性。「将来どうなっちゃうのかな…」
働く女性の活躍が重視される一方で、日本の女性の貧困化が深刻だ。
そこには女性のライフスタイルと、労働市場における女性の扱いが乖離している点から女性の貧困を生む大きな要因となっているという。今回は夢を諦めた貧困女性を紹介する。
夢を追いかけるのは若者の特権。ある程度の年齢になったら、ほとんどの人は諦めて就職をする。だが、キャリアもなく年齢を重ねてしまった人間に労働市場は厳しく、結果的に賃金の安い非正規労働に就かざるを得ない。
役者を目指して活動していた星野百合香さん(仮名)は、今年で31歳。就職するならギリギリの年齢と思い、夢を諦め就職活動を開始したが、この年齢まで単発のアルバイトしかしてこなかった星野さんを採用する会社はなかなかなかった。
「人手不足って言われてるのにね(笑)。やっとの思いでありついたのはマッサージチェーン店の施術士。研修期間を経て働き始めたんですが、アルバイト扱いで月給は12万円くらいです」
それだけでは食べていけないので、役者活動をしていたときのツテで、日給7000円のAVのエキストラに、月何回か出て家計の足しにしている。
「それで合わせてようやく手取り15万円。家賃が6万5000円なので、残りが8万5000円。今はまだ何とか食べていけるけど、このままだと将来どうなっちゃうのかなって不安で仕方ないです」
ちなみに現在恋人はおらず、探すのもちょっと面倒くさいと思っているのだとか。
「高収入の彼氏でも見つかればいいのかもしれないけど、出会いを求めて飲みにいくお金もないし、マッサージの仕事は肉体労働だから、疲れちゃって休みの日は外出する気力もないんです」
食費は限界まで切り詰めるために、朝食は基本食べないという。お昼は職場のあるビルのスーパーで300円で買える割引のお弁当を買うことが多い。
「お米だけは実家から送ってきてくれるから、それが生命線ですね」
せめて今後給与がアップする見込みくらいは欲しいものだが、「試験を受けて、できる施術の種類が増えれば時給も上がるんですが、どのみち非正規。体力的にしんどい仕事だからやめる人も多いし、自分もいつまで続くか……」というのが現況だ。
「一応、保育士の資格は持ってるんですけど、保育士も激務で低賃金なのは変わらない。これから頑張っても安定した収入を得られる仕事に就くのって難しいのかな……」
《ひと月の収支》
月収 15万円
家賃 6万5000円
食費 3万円
光熱費 1万5000円
通信費 1万円
雑費 1万円
健康保険 1万円
交通費 1万円
収支 プラマイゼロ円
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