プロポーズはとりあえずスルー。結婚式は元々お互い興味がない。しかし、指輪くらいと思って「指輪とか、買っちゃう?」と照れながら聞くと、「え?欲しいの?」と逆に聞き返されてしまうではないですか。

「一応欲しいけど」と、申し訳程度に返事をしてみますが、改めて考えると、筆者にも仏くんにも指輪をする習慣はありません。むしろ二人とも指が太いので、合うサイズを探すのが一苦労。
「欲しいなら親戚がジュエリーブランドに勤めているから、
社割がきくよ」
彼は関心なさげに言うので、思わず「え、お得じゃん!」と反応しましたが、果たしてお得でいいのでしょうか。
少し時間が経つと「社割で結婚指輪ってどうなんだ?」というモヤモヤが出てきます。でも、2人で選んで買い行くことに変わりはありません。じゃあなぜ割引にモヤッとするのか考えると、一大イベントに値引きという選択をすることで、
自分を軽んじられていると錯覚していることに気づきます。
これってよく話題にあがる、ラブホテル代を割り勘されるとモヤっとするのと、基本原理は同じです。自分の価値を金銭価値に置き換えるからいけないのです。
わかっちゃいましたが、自分の中にまだオンナがいたとは…。気づくだけでも、このイベントを経験した意味があるというものですが、お金とオンナの関係は根深いのです。

とりあえずHPを見ながら指輪の値段を物色します。
「ねえ、割引ってどのくらい安くなるの?」
「4割くらい引かれるんじゃない?」
つまり20万円の指輪なら、12万円になる…。めちゃくちゃお得やないかーい! オンナの小さなエゴも、8万という金額を前にしたら、シュッと素直に引っ込んでしまいました。
<文・イラスト/おおしまりえ>
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コラムニスト・恋愛ジャーナリスト・キャリアコンサルタント。「働き方と愛し方を知る者は豊かな人生を送ることができる」をモットーに、女性の働き方と幸せな恋愛を主なテーマに発信を行う。2024年からオンラインの恋愛コーチングサービスも展開中。X:
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