◆「へえ~。そうなんですね~」
とはいえ、職場などでは理不尽な責任転嫁や非難を受けることもあります。これが上司となるとなかなか言い返したり、自分の正義を主張したりすることは難しいと思いますが…。

「そうですよね。その場合は『へえ~。そうなんですね~』。これが万能です。
じつは、ぼくは修行に入る前、悪口をよく言うタイプでしたので、しょっちゅう人の悪口を言い、人からもよく悪口を言われていました(笑)。だからわかるんですが、人から悪口や理不尽なこと、嫌なこと言われるとつい、言い返したくなると思います。
でも、そうしていると、
争いのネバ―エンディングストーリーになって、人間関係の悩みのループからはいつまでたっても抜け出せません。
『へえ~。そうなんですね~(あなたはそう思うんですね)』は、別の言い方をすれば、『
へえ~。あなたはそう思うんですね。私はそう思いませんけど…』と同じです。これでいいんです」

「自分と相手、それぞれが持っている『常識』はまったく異なっていて、人はみんなそれぞれまったく違う『常識』の世界で生きています。人の数だけ常識はある。常識に正解などないんです。だから、相手が何かであなたを非難してきたときは『この人は、いまこれが正しいと信じて言っているんだよな~』くらいに思って、受け流すことが大事です」
「この『人それぞれの常識』で、気を付けなければならないのが、相手の言葉を『られた活用』しないということです。これをするくせがついていると、被害者意識の塊になってしまって、強運からはどんどん遠ざかってしまいます」
被害者意識が強くなってしまう口ぐせ、「られた活用」って一体どういうことでしょう?
「よく、○○さんに
こう言われた。○○された。という人がいますね。
残業させられた。行きたくなかったのに、一緒に行こうと
付き合わされた…などもそうです。事実は本当にそうでしょうか。
話をよく聞いてみると、これはたいてい、ただ、相手が言ったり、したりしたことを、
自分の中で勝手に『られた活用』に変換していることが多い。大げさな受動態の受け取り方には要注意です。あなたはいつも被害者意識の塊になって罪悪感や劣等感にまみれてしまいますよ」
たしかに、「相手はこう言った。相手はこうした」と、フラットな事実として捉えれば、大した話ではなかったりしますよね。