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ハイライズワイドジーンズは、きれい目ゴージャスに着こなして

モードをリアルに着る! Vol.77/小林直子】  人は同じものをずっと着続けると、それに飽きてきます。同様に、同じものをずっと見続けても飽きます。  自分で着ていたわけではなくても、誰かが着ているものが長い間、何回も見ていると、それだけで飽きを感じるようになります。飽きてくると、もはや特別それがおしゃれであるとは感じなくなります。  見慣れたもの、ありふれたものは悪くはないけれども、特別素敵には見えなくなります。
ハイライズワイドレッグジーンズ

見慣れたもの、ありふれたものは悪くはないけれども… 

スキニージーンズが登場して20年あまり

 スキニージーンズが初めて登場したのは2000年より少し前のことだと記憶しています。  当時、まだまだ股上が深く、太かったジーンズがいきなり、15センチしかないほどの股上、力を込めて引っ張らないと留められないウエストのボタン、そしてポリウレタンが入ったデニムによるタイトなフィットになりました。  何もかもそれまで体験したことのないほど新しくなったジーンズに、まずは若い人から夢中になりました。
ハイライズワイドレッグジーンズ

ユニクロ「ハイライズスキニーアンクルジーンズ」※画像は公式HPより

 スキニージーンズは、当初は細くて脚が長い人にしか似合わないと言われていたにもかかわらず、気づけば小さな子供からいい年の大人まで、こぞってはくような存在になりました。  けれどもそれから20年あまり。スキニージーンズはもう既にありふれて見慣れた、特別素敵とは思えない、ごく普通のジーンズになりました。  どんなものでも、まだ多くの人が見慣れないとき、新しいそれを早く取り入れると、それだけでおしゃれに見えます。  スキニージーンズに飽き飽きした多くの人の目には、スキニージーンズとは違う性質を持っているもの、幅広で股上が深い、つまりハイライズワイドレッグジーンズは、はいている人が非常に少ない今ならば、余計におしゃれに見えるのです。

ハイライズワイドレッグジーンズの新しくてゴージャスなルック

 ゼンデイヤとのコラボレーションによるトミーヒルフィガーの2019春夏コレクションは、70年代のアメリカ女性スタイル全開のショーでした。  シルエットだけではなく、メイクや髪型、そして音楽に至るまで、70年代のゴージャスなアメリカンビューティーリバイバルといった雰囲気で、特に若い人には新鮮に感じられたことでしょう。
 そこで出てきたのがこのハイライズワイドジーンズのルックです。  ウェーブがかかったロングヘアをなびかせて、サテンのシャツを前で結び、大きめのサングラスに大きなフープイヤリング、シルバーのバングル重ね付けに、同じシルバーのトップのロングペンダント、プラットフォームのサンダルという、日本の70年代にもいたかもしれないような、それでいてやはり新しいと感じさせる何かがある、ゴージャスなルックです。

70年代風ジーンズの着こなしは、きれい目ゴージャス

 ハイライズワイドレッグ、つまり股上が深くて幅広のジーンズはもう既に売られていますので、手に入れるのは簡単です。今回、特に注目したいのはジーンズの着こなしです。  見ていただければわかるように、この70年代風ジーンズの着こなしはかなりゴージャスです。それで思い出されるのが70年代後半に出てきたディナージーンズと呼ばれたきれい目なジーンズ。  サスーンを筆頭に、ブルック・シールズに「私とカルバンクラインとの間に何があるか知りたい? 何もないのよ」と言わせて話題になったカルバンクラインジーンズなど、ジーンズをはいてディナーに行ってもおかしくない、きれいなジーンズの着こなしにそっくりです。
 つまりこういうことです。このハイライズワイドレッグジーンズをはくときは、ジーンズでもきれい目、しかもゴージャスでいこうということです。  ジーンズをあたかもセンタープレスの入ったリネンのパンツのように扱って、フェミニンで、ゴージャスな装いをする。日本語で言えばおめかしジーンズといったところでしょうか。
ハイライズワイドレッグジーンズ

ジーンズはきれい目、装いはゴージャスに ※画像:WEAR

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靴はヒール、羽織るものはテイラードジャケットで、大人っぽく
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