暑すぎてトレンチはもう着られない…そんな時デザイン性の高いシャツスタイルはいかが?
【モードをリアルに着る! Vol.78/小林直子】
ゴールデンウィークが終わると、関東地方を中心に、季節は一気に進み、夏日となるところもふえてきます。そうなると、汗ばむほどの陽気となり、暑すぎてもうトレンチコートは着られません。
少し昔でしたら、この時期、サマーウールや麻のジャケットなどを着てしのいだものでしたが、日本の夏が暑すぎるようになり、着られる期間が短い裏つきの麻のジャケットもサマーウールのジャケットも、着用する女性はごく少数となりました。
コートを着るには暑すぎる、かといってほとんど着用する機会のない、しかも高価なジャケットを買うのも考えもの。
それでは真夏までのこの時期、何を着るのがいいのか、そんなふうに考えていってたどりついた、一つの答えが今回ご紹介するステートメントシャツです。
ニコラス・ジェスキエールによる2019年春夏のルイ・ヴィトンのコレクションは、80年代ムード満載。
ステートメントシャツとは、ステートメント、つまり主張のあるシャツということで、日本でよく「定番」と言われるような、プレーンでデザイン性のないシャツとは真逆の、デザイン性が高く、スタイルの中のいわば「今日のスタイルで一番見せたいところ」部分を担うような、完成度の高い1枚のシャツのことです。
なぜ先程のルックに特に注目したいかというと、このようなステートメントシャツは今後、ジャケットにかわるものとして、特に日本の初夏から秋にかけて、もっと多くが提案され、実際に売られてもいいのではないかと考えるからです。
暑すぎてジャケットは着られない。かといって、定番のシャツだけでは心もとないし、ほかの男性を含む多くの人と同じになってしまう。
少しおしゃれに見せたいとき、しかもジャケット並みにきちんとした感じを出したいとき、そんなときにはこのような主張のある、デザイン性の高いシャツがぴったりです。
デザイン性の高いシャツにシンプルなパンツやスカートという組み合わせは、白いシャツを選べば十分に仕事着になりますので、これから真夏にかけての、仕事着として何を着ていいのか悩ましい時期に適しているのではないかと思います。
ヴィトンが提案するデザイン性の高いシャツのルック
80年代風のソバージュヘアに、いかつい肩パッドのジャケットやプリントとプリントの組み合わせ、そうかと思えば、ウィメンズのショーなのにメンズが混ざっているのかと勘違いしてしまうほどの、ジェンダーレスなスーツスタイルなど、にぎやかで明るく、多彩なものでした。 正直な話、「ほとんど男」のパンツスーツスタイルも、違う柄同士の組み合わせも、難易度が高すぎて、コレクション最中のストリートスナップで撮影されるわけでもないような、ごく一般の人が挑戦したり、真似したりできるようなものではないのでですが。 けれども、このシンプルな黒いパンツとショートブーツに、目を引くデザイン性の高いシャツをみ合わせたルックだけは、ごく普通の私たちでもヒントをもらって真似できそうであり、同時に新しいと感じられる、そんな素敵なルックでした。
デザイン性の高いシャツできちんとおしゃれに
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