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医師が自分の精子で49人の父親に。不妊治療スキャンダルはなぜ頻発する?

 「オランダの医師が、自分の精子で49人もの子どもを無断体外受精させてしまった」というニュースについて、『本当は怖い不妊治療』(SB新書)の著者でジャーナリストの草薙厚子さんに寄稿いただきました。(以下、草薙さんの寄稿)

医師がこっそり自分の精子を使った例は、オランダだけじゃない

「この子は自分と似てない」「私は親に似てない」「私はいったい誰の子なのだろう…」不妊治療スキャンダルが世界で話題になっています。
赤ちゃん

写真はイメージです(以下同)

 先日、オランダの不妊治療クリニックの男性医師ヤン・カールバート氏が、患者に無断で自分の精子を使って体外受精を実施し、49人もの子どもと親子関係にあることが判明して日本でも大きく報道されました。不妊治療が広まっていくにつれ、こういった事件は世界のいたるところで明らかになっているのです。  昨年、カナダのオタワで不妊治療クリニックを営んでいたノーマン・バーウィン医師が、1970年代から2000年にかけて人工授精に自分の精子を使って患者を妊娠させ、少なくとも11人の子どもを誕生させたとして集団代表訴訟を起こされました。  他にも16人の子どもが父親と思われていた男性と遺伝子が一致しないことが判明。さらに35人の子どもが、母親が選んだ提供者の精子が使われていなかった可能性があるとのことです。

子どもが36才になってしたDNA検査で分かったのは

 アメリカのアイダホ州では、不妊治療を行っていた医師のジェラルド・モーティマー氏が自分の精子を使って患者の女性を妊娠させたとして、この女性や生まれた子どもが医師と医療機関を提訴しています。  この女性が不妊治療を受けていたのは1980年でした。子どもが36才になった2017年にDNA鑑定を依頼した結果、明らかになったのです。 DNA検査 さらにショッキングな例もあります。アメリカのバージニア州の不妊専門医、セシル・ジェイコブソン医師が、患者に自分の精子を使って人工授精を行い、少なくても15人の子どもの父親であることわかり、詐欺と偽証罪で逮捕。  1992年に懲役5年の判決を受けましたが、さらに75人の子どもの父親であることも疑われたのです。当時はこの種の行為そのものを規制する法律はありませんでした。

何も言わず600人もの子どもの父親に

 また、オーストラリア人の生理学者で医師でもあるベルトルト・ウィスナー氏は、1943年から1960年代の半ばまで、ロンドンで不妊治療クリニックを運営していた際、患者の女性に何も言わず自分の精子を使い、600人以上の子どもの父親だったと非難されています。この医師は1972年に亡くなっていますが、2012年になって明らかになった事件です。  日本でも夫が無精子症など、生殖機能に問題があることが判明した場合、第三者のドナーから精子の提供を受けて人工授精を行う治療が行われてきました。  ドナーは匿名でしたが、現在は生まれた子どもの「出自を知る権利」の法制化が検討されており、ドナーの情報が将来公表される可能性が出てくると、提供者が現れなくなり、現在、慶應大学病院では患者の受け入れを中止しています。
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医師の目的とは……
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