ヒップ周りやお腹をカバーできるタックパンツでリラックスコーデはいかが?
【モードをリアルに着る! Vol.80/小林直子】
シルエットが大きくなってもう数年たちました。コートは丈も長く、身幅も大きくなりました。
シャツも肩幅は肩先から落ち、袖にもボリュームが出て、半袖の袖丈が肘に届くほどのものも出てきました。スカートも丈が長く、フレアやプリーツが施され、分量もだいぶ大きくなりました。もちろんパンツも大きくなります。
去年あたりはウエストがゴムのワイドパンツを多くの人がはいたと思います。けれども、まだそんなに登場していないタイプのパンツがあります。それがウエストにタックを数本とったタックパンツです。
タイトなシルエットを作りたいとき、ウエストはダーツで処理されます。ダーツとは、平らな布を立体的にするために用いられる手法の1つで、布の一部をつまんで、矢のような形に縫ったものを指し、例えばタイトスカートのウエストとヒップの差を消すときによく使われるものです。
よりタイトなシルエットのウエストを作りたいときにはダーツさえ使いません。どうするのかというと、ウエストとヒップの差を少なくするために股上を15センチから19センチぐらいに短くします。
短い股上といえばスキニージーンズです。体にぴったりと張り付いたデザインのものはストレッチの素材を使い、ウエストとヒップの差を少なくすることでタイトなシルエットを作り出します。
では、反対に大きなシルエットを作るにはどうするかというと、ウエストとヒップの差を大きくするために、ウエスト位置を通常よりも少し上側のハイウエストにし、ウエスト周りに余分な布をたくさん配し、それをギャザーもしくはタックで処理すればいいのです。
ビッグシルエットを表現するのに非常に適したタックパンツ、アルベルタ・フェレッティの2019年春夏コレクションのファーストルックで見られました。
体の線がはっきりわかり、ストレッチが効いているとはいえ、はくと窮屈(きゅうくつ)な感じがするスキニーパンツと違って、タックパンツは非常に楽です。腰から太ももへの締め付けもないし、ウエストもベルトで調節すれば、無理やりきつく締めないで、ゆったりとはくことができます。
また、タックパンツはウエストと腰の差が大きいグラマーな体型の人や、太ももの筋肉が発達しているスポーツをやっていた方にも適しています。
ウエストからヒップにかけてはタックがあるため、生地にも余裕がありますから、ヒップに合わせてパンツを買うとウエストが大きすぎた方や、ウエストに合わせて買うと太ももが入らなかった方など、安心してはくことができます。
ビッグシルエットはハイウエストにタック処理で表現
古いフランス映画のようなタックパンツスタイル
大きなフリルになったレース生地で飾られた白いノースリーブのトップスに、ウエストに大きめのタックをとった、ゆったりしたタックパンツを黄色い太目のベルトでぎゅっと絞り、ラフィアを編んだバッグを斜め掛け、皮革の編み込みのサンダルの組み合わせはリラックス感あふれ、休日の気軽なお出かけにぴったりの雰囲気。 全体に淡い色のトーンでまとめられ、レースや編み込みのバッグやシューズが古いフランス映画のようで、どこかノスタルジックでもあり、ここ最近、見なかったスタイルです。 私の記憶によると、パンツがタイトになってしまったのが2000年頃からなので、今の20代はこんなタックパンツははいたことがないかもしれません。
締め付けないタックパンツはゆったりで楽
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