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鎌倉の人気お菓子クルミッ子は、もはやクルミである/カレー沢薫の「ひきこもりグルメ紀行」

「Kurumicco」決定話がエピソードとして完成されすぎている

 数年前、1人の「クルミっ子」から自身のアカウントに「クルミッ子」という文字を入れていいかというメッセージがきたそうだ。  パクり、無断転載が横行する世の中に置いて、わざわざ個人アカウントにクルミッ子と入れて良いかと公式に許可を仰ぐ姿勢、まさにクルミっ子の鑑だ。  そのクルミッ子が入れようとした文字が「Kurumicco」だったという。  それを見た社長が「それいただき」と思ったため、クルミッ子の表記は「Kurumicco」になったそうだ。  同人で流行った要素を公式が取り入れる、という最近のアニメ界隈などで見られる現象がまさかクルミッ子でも起こっていたとは思わなかった。  ちなみに、そのクルミっ子は今では鎌倉紅谷のスタッフになっているという。逸話として完成されすぎている。

第二問:パッケージにいるリスの名前は?

 第二問目は、クルミッ子のパッケージにいるリスの名前は?という問題だ。  答えは「リスくん」である。  第一問目が全く予想もつかない展開だったのに対し、このドストレートさ、さっきからクルミッ子検定に翻弄されっぱなしだ。  このリスくんは、クルミッ子のアレンジ商品が楽しめるカフェの「隠れキャラ」としてカフェ内やラテアートにこっそりいるらしいのだが、「残像のようなリスくん」や「おぼろげに浮かぶリスくん」が確認でき、「リスくんとは概念なのか」と思わせてくれる哲学的なキャラクターだ。

「全部真面目にやっている」という点が面白い

 その後も若干様子がおかしいQ&Aが続き、何と9問目に「クルミッ子誕生のきっかけ」が出てくる。表記が1番に出て来て、9番に誕生秘話が来ると言うひっかけ問題だ。  ちなみにクルミッ子が生まれたのは他製品のあまりを無駄にしたくないという「エコロジー精神」から生まれている。  このように随所が面白いクルミッ子検定なのだが、一番面白いのは「全部真面目にやっている」という点だ。一切ふざけていない結果、半端なふざけより面白くなっているのである。  真面目にやることが如何に大切か、クルミッ子は改めて教えてくれた。 <文・イラスト/カレー沢薫 ※当記事は「Rettyグルメニュース」による引用許可を得て制作しております> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
カレー沢薫
かれーざわ・かおる 1982年生まれ。漫画家・コラムニスト。2009年に『クレムリン』で漫画家デビュー。主な漫画作品に、『ヤリへん』『やわらかい。課長 起田総司』、コラム集に『負ける技術』『ブスの本懐』『やらない理由』などがある
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