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妊活を隠す女性たちの本音。SNSの裏アカで告白する人も

 また、告白された側も、経過が気になってしまうのは当たり前です。その後、どうなったか尋ねることや、優しい言葉でさえも、一歩間違えばデリカシーのない発言にとられかねません。結果、話した相手にさえも心の負担を強いることとなってしまうのです。  したがって、友人関係にひびが入ったり変に気を使われないためにも「妊活は周囲に隠していた方が平和だ」という気持ちになるのです。 隠れ妊活女子の本音 そんな隠れ妊活女子は、ハッシュタグやSNSの裏アカウント、鍵アカウントを活用しています。  赤の他人だからこそ、最新の情報や本音を話すことができ、妊娠しても心から祝福でき、自分も希望を持つことができるといいます。すなわち、匿名で心を開放できる手段があるため、わざわざ周囲に告白せずとも事足りているのです。  また、彼女たちは心拍確認ができたら妊活アカウントとは別のアカウントを作り、移行することで、お互い傷つかないように、情報を取捨選択しながら公開し、交流を深めているそうです。互いの辛さを知っているからこそ気遣いあうことができるのでしょう。

妊活を語り合える日々は遠い……

 筆者も妊活を経験した身から、秘めたるものになりがちな「妊活」を自ら発信し公にすることで、必要性を訴え、カジュアルなものにしていこうというはあちゅうさんの姿勢には当初感銘を受けていました。  しかし、結局は妊娠を隠して更新をしていたこと、そして批判が起き、炎上したことにより、逆に妊活を語るハードルを上げてしまう結果になってしまいました。  初めての妊娠はなにかと不安で、「万が一のことを考慮し、状態が安定し胎児に問題のないことが判明するまで周囲に公表せずにしておきたい」いう気持ちは理解できます。  一方で過去に、東尾理子さんが第一子を妊娠した際、クアトロ検査で陽性がでたことをブログで報告し、その赤裸々さが波紋を呼んだことを思い出されます。  細かな数値まで示された生々しい内容でしたが、彼女がこのように公表し、自らの思いを綴ったことで、母になることの責任の重さが多くの人に伝わり、出生前診断が知られる出来事のひとつになったことも事実です。  もし、妊活について人々に身近に考えてもらおうという強い意志と、自ら発信することの意義をもっているのであれば、はあちゅうさんも批判を恐れずここまでさらけ出せば世間の反応も違うものになったのかもしれません。妊活が身近に、誰でも話せる世の中になるのはいつになるのでしょうか。 <文/小政りょう> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
小政りょう
映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦
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