
「Hが、蚊の鳴くような声で『なんの事?』と、とぼけたので私つい『それってカツラだよね』とはっきり言ってしまって」
するとHさんは「あははは、バレてたのか…そっちか~」と笑いながら大粒の涙をポロポロと流したそう。
「泣きながら肩を震わすHを見て『やっちゃった!』と焦りましたね。酔っていてつい、デリカシーのない言い方をしてしまいました」
すぐに裕美さんは「嫌な言い方してごめんね、でも本当の事言って欲しかったの。私はそんな事全く気にしないし、変わらずHが好きだよ」とHさんを抱きしめました。
すると『本当に? ハゲでも嫌いにならない?』と彼が裕美さんの手を握ってきたので…。
「アイプチやヒールと変わらない」と言うと彼はさらに涙

「私だって目をアイプチで二重にしたり、ヒールを履いて背を高く見せたりしているよ。それと変わらないじゃん、と手を握り返したんですよ」
Hさんは、さらに泣きながら『本当にありがとう、一生大事にするから~』と土下座をしたそう。
「その夜、初めてHがカツラを取ったところを見て…私も大切な秘密の姿を見せてもらったのだから、一生大事にしなくちゃとしみじみ思いました」
それから2人は一緒に暮らしだし、Hさんが家でとてもリラックスしてくれるようになり、裕美さんはホッとしたんだとか。
「ちょっと、会社の後輩と2人きりで飲みに行った話が気になりましたが…そんな女より私の方が、Hの真の姿を知っているぞと余裕な気分ですね(笑)」
2人は結婚に向けて、楽しく準備を進めているそうです。
―シリーズ「
気になる男性・彼・夫の意外な一面」―
<文&イラスト/鈴木詩子>
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鈴木詩子
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:
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