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2度の流産やPTSDで苦しんだ…眼帯の女性戦場記者が暗殺されるまで

脅かされるジャーナリストの命

――去年はサウジアラビア人記者がトルコで殺害されました。サウジアラビア政府が関与していると報道されていますが、アメリカや追従国はオイル・マネーのためにあえて目をつぶっているように見えます。
 (左)マシュー・ハイネマン監督、(右)ロザムンド・パイ

(左)マシュー・ハイネマン監督、(右)ロザムンド・パイク

ハイネマン監督「メリーが亡くなってからも、ジャーナリストたちが負うリスクは無くなっていません。もちろん彼女の前にも紛争地を取材する多くのジャーナリストが亡くなったりしていましたが、彼女ほど有名なジャーナリストが亡くなったのは初めてだったので、世界中に彼女の物語が響きました。  彼女がキャリアをスタートさせたときは、紛争地に行くジャーナリストはたまたま巻き込まれて命を落とすことはありましたが、政権に対して意見し、暗殺されるなんていうことはなかったんです。結局シリア政府はメリーを暗殺し、彼女は批判的な声を抑圧する体制の犠牲になりましたが、現代でもこういった事件は世界中で起こり続けている……。  こういった紛争地を取材しているジャーナリストたちがどんな風な危険を負いながら物語を伝えているのかを、本作からより深い理解をもっていただければ嬉しいです」 <文/此花わか> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
此花わか
映画ジャーナリスト、セクシュアリティ・ジャーナリスト、米ACS認定セックス・エデュケーター。手がけた取材にライアン・ゴズリング、ヒュー・ジャックマン、エディ・レッドメイン、ギレルモ・デル・トロ監督、アン・リー監督など多数。セックス・ポジティブな社会を目指してニュースレター「此花わかのセックスと映画の話」を発信中。墨描きとしても活動中。twitter:@sakuya_kono
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