「名もなき家事」に名前をつけた本が話題。クスッとして虚しさが和らいだ
特に何かをやっている実感がないまま、1日が終わってしまうことってありませんか。ただ虚しさだけを胸に時間だけが過ぎていく。しかし、実感のない何か、に名前をつけてくれた書籍があったのです。その名もズバリ『やってもやっても終わらない名もなき家事に名前をつけたらその多さに驚いた。』(サンマーク出版)です。9/17発売から2週間で6万部という人気だそう。
「手洗いにするか洗濯機に放りこむか判断する」や「ロボット掃除機をかける前に床に置いてある荷物をテーブルなどの上に避難させる」も、立派な家事です。今まで、これは家事と言えないのではないか、と思っていたことに名前をつけ、実感のない何か、を消滅させてくれた同書の著者は、有名コピーライターの梅田悟司氏。そう、私達は名前があれば安心し、苦労も報われるのです。
思わずクスッと笑ってしまうネーミングが70個紹介され、疲れが和らぎそうです。
本書の著者・梅田氏は、自身が父親となり育児休暇を取得したのをきっかけに、家事に対する考えの甘さを痛感します。それは「実際に手や身体を動かす家事に加えて、考える家事、決める家事、待つ家事、耐える家事など今まで気づかなかった数多くの『名もなき家事』があることを知った」からです。
私自身、家事をやるうえで、こんな些細な手間でへこたれているなんてダメ人間、と幾度となく凹んでいましたが、梅田氏は「そのがんばり、当たり前じゃないですよ! もっと自分をほめていいし、家族もほめるべきです!」と激賞してくれたのです。
では、「名もなき家事」の名前を3つだけ引用してみましょう。コピーライターならではのセンスです。皆さんだったらなんて命名しますか?
●名もなき家事1
「洗濯カゴに残った片方だけの靴下を前に、もう片方がどこに行ったかあちこち探しまわる家事」
まるでクイズを出されているようです。私、本書を読みつつ自分なりに考えてみました。これって、脳トレにもなりそう。何でしょうね、警察犬ごっこ、とか?
いえいえ、命名「相方探し」。なるほど、片方の靴下=相方ですね。ニオイただよう靴下から、ロマンチックな香りがしてきましたよ。
●名もなき家事2
「人様に見せられない姿のときに限って宅配便らしきチャイムが鳴り、居留守を使うかどうか考えたあげく大急ぎで身支度する家事」
自宅で仕事をする私にとっては、由々しき問題です。パジャマですっぴんのまま、気づけばお昼になっていた、なんて日常茶飯事。以前、授乳中の知人が疲労困憊のために朦朧とし、おっぱいポロリで宅配便を受け取ってしまったと聞きましたが、同情するしかありません。
こちらは命名「光速身支度」。最近の私の解決策は、大きめのエプロンを用意すること。これをサッと身につければ、ノーブラも服の汚れも体型も、光の速度で隠せます。
当たり前のがんばりは、当たり前ではない
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