Vol.14-2 “地獄のような離婚”で知った、夫婦が「向き合いすぎない」ことの効用
「ずっとテーブルで見つめ合っていたい」
おそらく土岡さんは結婚する前からわかっていた。両親が横並びに座っていた「ソファー」と元妻が避けたいと主張した「縁側」が、実は同じものであることを。彼はその2つをまとめて「カウンター」と言い換えたのだ。
「テーブルとカウンター、どちらが正しかったんでしょうね。いや、正しいとかじゃないのかな。会話なくソファーでテレビを観ていた僕の両親は離婚せず、元妻とテーブル上で逃げ場のない真正面のどつきあいをした僕は離婚した。ただ、そういう事実があるだけです」
<文/稲田豊史 イラスト/大橋裕之 取材協力/バツイチ会>
稲田豊史
編集者/ライター。1974年生まれ。映画配給会社、出版社を経て2013年よりフリーランス。著書に『映画を早送りで観る人たち』(光文社新書)、『オトメゴコロスタディーズ』(サイゾー)『ぼくたちの離婚』(角川新書)、コミック『ぼくたちの離婚1~2』(漫画:雨群、集英社)(漫画:雨群、集英社)、『ドラがたり のび太系男子と藤子・F・不二雄の時代』(PLANETS)、『セーラームーン世代の社会論』(すばる舎リンケージ)がある。【WEB】inadatoyoshi.com 【Twitter】@Yutaka_Kasuga


