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木村拓哉が『教場』で見せた、“大人の背中”とは

ジャニヲタ歴20年・みきーるのJ-ウォッチ  美しい背中に、心が惹きつけられました。ただただ、強く静かなその背。持ち主は、木村拓哉さん。  1月4~5日に放送されたスペシャルドラマ『教場』(フジテレビ系)での姿です。 木村拓哉が『教場』で見せた、“大人の背中”とは

『グランメゾン東京』『教場』の共通点

 本作で木村さんは、冷酷で厳格な警察学校の教官・風間公親(かざま きみちか)役を演じました。短く切り揃えた灰色の髪、眼鏡の奥の瞳は何事にも揺れることなく、過去に負傷した右目は義眼。警官にふさわしくない生徒にはバシバシ退校届けを突きつけ、救い上げるよりは落としていく――。 「尾花シェフのホットさに慣れた身としては、新年早々ランデブーを決める相手としては手強いのでは? 一応、冒頭だけチェックして、七草粥でも食べてから録画を観よう」と思っていたのに、気がつけばテレビの前からまったく動けず、一気見させられていたのでありました(後編も)。 『グランメゾン東京』の尾花夏樹と「教場」の風間公親は、まったく異なるキャラクターに見えて、実はとてもよく似ています。尾花も風間も、静か動か、冷か温かの差こそあれ、ともに彼を取り巻く人々の本心をあぶり出し、向き合わせる“本音引き出し人”としてそこにいました

“本音引き出し人”に背中を押される登場人物たち

 木村さんが静の、あるいは動の狂言回しを務めたことで、登場人物たちは血の通った人間として、悩み、くじけ、また立ち上がる姿を生き生きと見せてくれたのだと思います。  残念ながら教場を去った人たちにも、葛藤の先に光が射すのではないかという予感もさせました。  木村さんの後輩で“なにわ男子”(関西ジャニーズJr.)の西畑大吾さんは、狡猾で人間くさい生徒・樫村卓実役を好演しました。大先輩に胸を借り、より魅力的に成長しそうな彼の先行きも楽しみです。 「人を傷つけたことがある者は、人を守ることができる」  これは風間教官のセリフですが、つまずきも善に活かすことができるという、再生の希望を孕んだとても良い言葉で、印象に残りました。

木村拓哉だからこそ演じられた役

 それにしても、風間教官のように憎まれ役ができてこそ、大人は大人たりえるのかもしれません。けれど……。根底に愛を湛えた憎まれ役を引き受けられる大人が、どれほどいるのか。そうした役を演じて説得力のある男がどれほどいるのか。いないでしょう、彼以外。  そして背中。背中で語るというけれど、むしろ語らず。水鏡のように静謐(せいひつ)なそれは、己でなく見る者に語らせる。こんな背中を持つ人も、いないでしょう。木村拓哉さん以外。  さて、寡黙な風間教官もとても素敵でしたけれど、耳に優しく響く木村さんの声を聴いていると、今度はその歌声が恋しくなりました。1月8日には、初のソロアルバム『Go with the Flow』を発売する木村さん。きっと聴き惚れるうち、胸に隠している本音を優しく引き出されてしまいそうです。  もっともっと、その声を聴きたいと。 <文/みきーる イラスト/二平瑞樹> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
みきーる
ジャニヲタ・エバンジェリスト。メンタルケアカウンセラーⓇ。女子マインド学研究家。応援歴20年超のジャニーズファン。女心を知って楽しく生きるためのライフハック“女子マインド学”を提唱。著書に『ジャニ活を100倍楽しむ本!』(青春出版社)『「戦力外女子」の生きる道』他。Twitterアカウント:@mikiru、公式ブログ:『ジャニヲタ刑事!
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