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宇垣美里「生きることは決して楽じゃないけれど…」/映画『踊ってミタ』

 元TBSアナウンサーの宇垣美里さん。大のアニメ好きで知られていますが、映画愛が深い一面も。 宇垣美里さん そんな宇垣さんが公開中の映画『踊ってミタ』についての思いを綴ります。
踊ってミタ

『踊ってミタ』より

●作品あらすじ:東京で映像作家の夢破れた三田(岡山天音)は、故郷の町役場の観光課で働いていたが、過疎化、観光資源なしの田舎で、現状を認められないまま腐っていた。  そんな折、町を活性化しろとの町長・丸山(中村優一)の命令で観光動画を制作することになり、同僚・真鍋(武田玲奈)の提案で町民参加の“踊ってみた”動画作成をスタート!だが、集まった踊り手は、たった4人のさえないメンツ。  そこで、ご当地アイドルの元メンバー・古泉ニナ(加藤小夏)が町にいることを知った三田は彼女に加入を迫るが取り付く島もない。  まとまらないメンバーに町長の無茶ぶり、町の人にも白い目で見られ制作は難航。それでも、三田の奮闘により完成が近づくなか、町全体を揺るがすネット大炎上事件が起こる…。 “踊り”を通じて、前へ向かう人々の物語を、宇垣美里さんはどう見たのでしょうか?(以下、宇垣さんの寄稿)

ままならないときこそ好きな音楽に身をまかせ、体を揺らそう

踊ってミタ

『踊ってミタ』より

 人はどんなときに踊りたくなるのだろうか。好きな音楽にのり、溢れ出す感情を抑えることなく体を使って表現する。それはまさに太古から人が用い、愛して続けてきた表現の形だ。  映像作家の夢破れ、東京から故郷に戻ってきた三田(岡山天音)。働いている春野山町役場のシティプロモーション部では、町おこしのため「踊ってみた」動画作成をスタートするものの、こんなところ俺の居場所じゃないとばかりに、すべてに投げやりで中途半端。他人のせいにばかりしていてダサくて痛々しい。  だからこそ、後半に待つ町おこしイベントでのダンスシーンは圧巻だった。たとえ一生懸命に踊ったところで、シティプロは解散させられるかもしれないし、町の過疎化も止まらないだろう。それでも彼らは踊る、ぶざまに、汗を散らし、ただ全力で。それはまさしく魂の叫びで、すべてがかっこよくてカワイくて、目をそらすことができなかった。  観賞後、なんだかうずうずして、久しぶりに昔熱心に練習していた「踊ってみた」動画を開いたら、自然と体を動かしたくなっていた。ダンスを習ったこともない素人、おまけにだいぶ振りを忘れていてボロボロだったけれど、ただ好きな音楽にのって目いっぱい体を動かすと思わず笑みがこぼれた。家族には何をしてるんだと笑われたけれど、それすらも楽しくて、へへへと笑い返した。  生きることは決して楽じゃないけれど、ままならないことばかりだけれど、そんなときこそ体を揺らそう。踊って、あなたの心の赴くままに。見せて、感情の揺らめきを。 『踊ってミタ』’20年/日本/1時間45分 監督/飯塚俊光 出演/岡山天音、加藤小夏ほか 配給/東映ビデオ ©2020「踊ってミタ」製作委員会 <文/宇垣美里> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
宇垣美里
’91年、兵庫県生まれ。同志社大学を卒業後、’14年にTBSに入社しアナウンサーとして活躍。’19年3月に退社した後はオスカープロモーションに所属し、モデル・女優業や執筆業などに幅広く挑戦している。
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