なめられない「#強い女」ファッションのポイントは?
【ファッション・ブロガー小林直子のお悩み相談 Vol.16】
ファッションの悩みは尽きないもの。コーディネートやワードローブの組み立て方から、ライフスタイルまで、読者から届いたファッションの相談に『お金をかけずにシックなおしゃれ』(KADOKAWA)などの著書があるファッションブロガー小林直子さんが答えます。
最近、SNSでよく見る「強い女」ファッションを実行したいと思っています。
メイクは、InstagramやTwitterで「#(ハッシュタグ)強い女」などのセルフィーを投稿している人を参考に、けっこう戦闘力が強そうな辛口メイクができるようになったのですが、ファッションをどういった方向でまとめればよいか、アドバイスお願いできますでしょうか?
もともと、街でよく道を聞かれるなど親しみやすい顔立ちらしく、軽くあつかったり、イジったりしても大丈夫だと思われてしまうのがとても嫌です。とくに、日々の会社生活で、自社および取引先の人から“年下の女性”ということでなめられがちなので改善したいです。
(ちなみに今30代後半なのですが、それでも年配の男性から“年下の女性”くくりに雑に入れられます)
強い女性と、か弱くはかない女性はそれぞれどんなイメージでしょうか。
強い女性のイメージは、能動的、自分で決定する、自分の考えを主張する、知的など、一方、か弱くはかない女性のイメージは、受動的、感情的、柔和、調和的などでしょう。
たぶん最も違うのは、強い女性には戦うイメージがあるのに対して、か弱くはかない女性には人とは争わないイメージがある、ということだと思います。
単純に考えて、戦うためには鎧が必要です。ふわふわと柔らかく、壊れそうではかない存在では敵の攻撃にやられてしまいます。
ファッションでは、戦わない女性を表現するときは、ふわふわとゆるく、柔らかい、シフォン、レース、オーガンジー、ボイルなどの繊細ですぐに破れてしまいそうな素材を多用し、いかにも戦うのには不向きなフリル、プリーツ、ギャザーといったディテールを採用します。これらはブラウスやドレスといった女性用の衣服に向いている素材と細部です。
それに対して、強く戦う女性イメージを表現するときは、コットンギャバジン、チノクロス、パラシュートナイロンなど、張りがあり、容易には破けない素材を使い、機能的ではあるけれども無駄のない、構築的な、いわば男性服のスタイルを用いることが多いです。
ですから、強い女性イメージを作りたいときは、ドレスに向いているような素材と細部を少なくし、男性のために作られた服の素材と細部を多く取り入れていくといいでしょう。
例えば戦えないような柔らかく、すぐに破けたり、伸びたりしてしまいそうなブラウスやセーターはインナーの見えない部分にとどめ、見える部分は張りがあり、堅さのある素材、つまりメンズのジャケットやコートに使われるような素材のものを選ぶという具合です。
次に色です。カラフルな多色遣いのコーディネートは、一歩間違うと子供っぽく見えてしまいます。また、パステルカラーを着ている女性は強そうには見えません。
ですから色は、白から黒のモノトーンや、ベージュとネイビーを基本とし、コーディネートする際はバッグや靴も含めて全体を3色以下になるようにしましょう。
◆Q. なめられない「強い女」ファッションのコツは?
自分が好きな海外ドラマや映画のキャリア女性のファッションを参考にしようとしたのですが、日本で、ほどよく知性的で、品がありつつセクシーな服があまり売っていないこともあって、うまくいっていません。(海外通販は試着できないので不安があります) 大人っぽく、迫力があるファッションについてぜひアドバイスいただきたくお願いします。 (アレックスさん)
ファッション・ブロガー小林直子からのお答え
メンズのジャケットやコートに使われるような素材を多く
トラッドをうたっているブランドを見てみるといい
形としては制服や軍服を参考にしましょう。 軍服ですって?とお思いかもしれませんが、トレンチコートもダッフルコートもPコートもチノパンツも、そしてセーラー服も元はと言えば軍服です。 現在、日本でトラッドと呼ばれているスタイルを扱うブランドには、軍服のデザインをオリジナルとしたアイテムが数多く売られていますので、日本で何かを探す場合は、まずトラッドをうたっているブランドを見てみるといいでしょう。
モノトーンや、ベージュとネイビーを基本に3色以下で
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