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『鎌倉殿の13人』小栗旬が前半と別人すぎッ!純朴な青年から“非情な男”へ

「あなどり難し…小栗旬……」 これが9カ月にわたり大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK総合、日曜夜8時~ほか)を観た筆者の感想でした。もともと、歴史にはとことん疎くて、大河ドラマは途中で脱落すること多々でしたが、本作は全話楽しく観ています。
『NHK2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」THE BOOK』(東京ニュース通信社)

『NHK2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」THE BOOK』(東京ニュース通信社)

どの登場人物も魅力的に描かれており、物語の展開は不勉強な筆者にも分かりやすく面白い本作。そのなかで改めて際立つ、主演・小栗旬(北条義時役)の力量の凄まじさについて、過去の出演作とともに語りたいと思います。 【関連記事】⇒「声出して笑った」NHK大河『鎌倉殿の13人』は歴史が苦手でもすっごく楽しい!

常に95点をとり続ける、小栗旬という俳優

筆者が小栗旬をはじめて認識したのは、いじめられる生徒・吉川のぼる役で『GTO』(1998年、フジテレビ系)に15歳で出演したとき。彼に対して「演技が上手いイケメン(当時、俳優とアイドルの区別がついていなかったので)」と感じたのは、『Summer Snow』(2000年、TBS系)で、主人公(堂本剛)の難聴の弟役を演じたときでした。
『花より男子ファイナル』映画パンフレット 東宝

『花より男子ファイナル』映画パンフレット 東宝

そこから20年以上、数えきれないほどのドラマ・映画、そして舞台にも出演してきた小栗。「まーきの」でいまだイジられる『花より男子』花沢類役で一世を風靡(ふうび)し、人気漫画の映像化には欠かせない人物として映画『クローズ』『ルパン三世』『銀魂』などで幅広い役柄を演じてきました。

「演技が上手いイケメン」からの脱却は

驚くほど多彩な作品に出演している小栗ですが、一方で私のなかの印象はずっと「演技が上手いイケメン」。「この役はぜったい小栗旬にしかできない!」と感じさせるthe代表作は見出せていませんでした
『銀魂2 掟は破るためにこそある』より

DVD『銀魂2 掟は破るためにこそある』(ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント/画像はAmazonより)

しかし、そう思わせることこそが小栗旬という俳優の凄さなのだと思います。なぜなら、彼の出演する作品の多くが面白いと評価されているから。 小栗は主演であっても、脇役であっても、作品一つひとつのなかにとても馴染んでいるのです。その存在を主張し過ぎるでもなく、その場面・シーンに溶け込み物語のメッセージを伝えてくれる。そう。彼は小栗にしかできない演技をあまりに自然に表現するからこそ、そのことを観る側に押し付けてこないのです。実にバランス力のある俳優であり、だからこそ小栗の出演する作品の完成度が高いのではないでしょうか。
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