Entertainment

有吉も祝福!準優勝マシンガンズが芸人仲間から愛されるワケ「悪く言う人を聞いたことがない」…激戦の『THE SECOND』を振り返る

結成16年以上の漫才師がセカンドチャンスをめぐって競う『THE SECOND~漫才トーナメント~』(フジテレビ系)が5月20日に放送されました。優勝したギャロップをはじめ、準優勝のマシンガンズや、三四郎、囲碁将棋など、そのベテランならではの実力と個性が話題になっています。
かつてピン芸人「大輪教授」として活動し2007年R-1ファイナリストに選出され、現在はお笑い事務所の若手芸人のネタ見せもつとめる構成作家の大輪貴史さんに、旧知のマシンガンズの芸人間の評判や、王者ギャロップの勝因について聞いてみました。 【関連記事】⇒『THE SECOND』元人気お笑い芸人が感じた「ほかの賞レースとの決定的な違い」

有吉も祝福!準優勝マシンガンズ「悪く言う人を聞いたことがない」

――惜しくも準優勝となったマシンガンズ、松本人志から「平場(ひらば)が強いやろうな」という言葉もありました。今後バラエティでの活躍が期待できそうです。また、吉本以外の東京に本拠地がある事務所(いわゆる在京事務所)の芸人のあいだではどういうキャラなのでしょうか?同じ事務所の有吉弘行は大会翌日に生放送の自身のラジオで二人を祝福し、アルコ&ピース酒井健太は“マシンガンズの決勝出場がグッときた”とトーク番組で話しており、先輩からも後輩からも好かれているようですね。 <在京事務所の芸人、誰もが「マシンガンズは面白い」と口を揃えて言ってきました。それは間違いありません。人柄に関しても、マシンガンズを悪く言う人を聞いたことがありません。…以上です!「以上です!」としか言いようがありませんが、あの芸風ですから「面白い」「いい人だ」なんて褒めちぎったら、困ってしまうかもしれませんね(笑)。 平場に関しては、お笑いライブやインターネットの生配信では、在京芸人最強の一角と言えると思います。マシンガンズをはじめ、Hi-Hiやスパローズ、エルシャラカーニなど、こういったベテランの実力者がまだまだたくさんいます。「THE SECOND」は、そういった芸人にスポットが当たっていく大会になることを期待しています。>(大輪貴史さん 以下、山カッコ内同じ) ――マシンガンズはそれぞれに専門性もありますね。滝沢秀一はゴミ清掃員の経験を活かし「ごみ研究家」として著書も多く、東京都がライブ配信する動画に小池都知事と出演、西堀亮は発明展で入賞し商品化予定です。 <ご指摘の通り「ゴミ清掃」「発明」といった専門性を持っています。滝沢さんに関しては、マシンガンズを知らなくてもゴミ収集の芸人さんとして知っていた人も多いと思います。 「平場に強い」「専門的に喋れることがある」ということで、きっと地上波バラエティで活躍するに違いありません。今は自虐だったり目上への突き上げだったりが芸風の大部分を占めていますが、売れっ子になりお金を稼いでいるイメージになったとき、また新たなマシンガンズが見られるのが楽しみです。>

三四郎のネタは本当に「お笑いマニア」向け?

――三四郎のネタは、準決勝で彼らに負けた流れ星☆たきうえさんがTwitterで“お笑いマニア向けのニッチなフランス映画”だと批判していましたが、実際どうなんでしょうか?お笑いファン受けする人名(『ゴッドタン』などを手がけるテレビプロデューサーの佐久間宣行さん、新宿カウボーイやダウ90000など)が多いことや、メンバーが逮捕されて解散したキングオブコメディに触れるブラックさを、たきうえさんは指しているのかと思われますが。
<場外乱闘が盛り上がってしまいましたね。すみません、たきうえさんとは個人的に付き合いもあるので、「それがたきうえの長所」くらいに捉(とら)えていただければ(笑)。 三四郎のネタは、それこそあれが「三四郎の長所」と捉(とら)えていただくしかないのかな、と思います。会場にいるお客さんは、観覧の応募をされるくらいですから「お笑いマニア」であると思うのですが、その言葉に定義がないので、そこはなんとも言えません。「目の前のお客さんが面白いと思った方に多く得点を付けた」という結果以外に言えることはないのではないでしょうか? 「THE SECOND」は、お客さん100人が審査員ということで、NHKで以前放送されていた「爆笑オンエアバトル」に近いものを感じました。流れ星☆は、その番組で「20勝0敗」というとんでもない記録を持っています。20連勝は番組最高記録であり、そのうえ無敗なのです! オンエアバトルでは、たきうえさんの言うところの「ニッチなフランス映画」が勝ち抜くのは少し難しいと思います。なぜなら、オンエアバトルの審査員は老若男女がある程度均等になるように選ばれていたと記憶しています。「お笑いマニアにウケるネタ」や、「ある世代のみに受けるネタ」「性別によって笑いにくいネタ」は、高得点を出すことが難しいでしょう。 流れ星☆は、そのルールに強かった。無類の強さを誇りました。ただ、今回は審査員が老若男女均等ではなかったのです。それが三四郎の予選での勝因になったと思われます>
――「決勝(テレビ)では娯楽映画が求められると思う」と自身のネタを“娯楽映画”に例える、たきうえさんの予想に反し、三四郎も1回戦はウケてスピードワゴンに勝ちました。 <松本人志さんがマシンガンズのネタに対して「紙を出していたのが(審査員に)どう取られるかっていう部分はあるでしょうね。プロの審査員なら、ちょっと、うーん、というところがあるかもしれないですが」とおっしゃっていました。 結果、一般の審査員はそこをあまり気にしませんでした。「漫才として小道具を出していいのか?」ということや、三四郎のような「マニアックなネタ」、金属バットや囲碁将棋のような「ちょっとキツく聞こえる言葉選び」など、一切関係ありません。彼らにとっては「面白かったか否か」それだけです。 これが「THE SECOND」の面白いところであり、シビアなところだと感じました。今後、さらに(いい意味で)反則スレスレの漫才も出てくるかもしれません。> 【関連記事】⇒『THE SECOND』元人気お笑い芸人が感じた「ほかの賞レースとの決定的な違い」
次のページ 
大会の方向性を位置づけた、トップバッターの金属バットVSマシンガンズ
1
2
3
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ