年商150億円、中国出身の女性経営者が「日本で生活していくことを決めたワケ」
岐阜県にある企業「ARTISTIC&CO. GLOBAL」の代表である金松月(きん しょうげつ)さん。彼女は中国出身で、18歳の時に単身で日本へ留学しました。年商150億円を達成している金さんは、なぜ日本に住むことを選んだのでしょうか? 中国が懐かしくなることはあるのでしょうか? 金さんから見た日本の魅力について、お話をうかがいました。
【インタビュー第10回】⇒年商150億円、中国出身の経営者が考える「“日本人らしさ”の長所と短所」
――金さんは、ずいぶん長く日本に住んでいらっしゃいますよね。日本のどんなところが「住みやすい」と感じますか?
金さん(以下、金)「日本では、生活するにあたって余計なストレスが入りません。例えば、日本で買い物に行っても、ほとんどの場合は値段を交渉する必要はありません。でも中国では、より高い値段で商品を売ろうとされたりすることも日常茶飯事なので、値引き交渉や駆け引きは当たり前です。日本ではそういうことをする必要がないですよね。
他にも、日本では最低限の生活水準が守られていると思うのです。田舎に住んでいても電波もありますし、国民健康保険の対象外になることもありません。他の国では、そういうものが得られない方もいるのです。アメリカでも医療費が高くて受けられない人もいます。日本は良心的な国だと思います。日本で得られる最低限の保障は、海外では当たり前ではありません」
――日本を好きでいらっしゃるのですね。
金「人を好きになるのに理由がないのと同じように、私は日本が好きです。水が合うというか…。言葉の奥深さなんかも素敵だと思います。例えば、日本には『思いやり』という言葉があります。ですが『思いやり』は日本独特の表現で、訳しにくい言葉です。
『次の人が気持ちよく使えるように』とトイレをキレイに使ったり、スリッパを揃えたり。洋服などのサブスクで『自分の物じゃないから』と、より丁寧に扱ったり…。そういう『思いやり』は、日本の“サービス”や“ものづくり”のレベルの高さに現れていると思います」
――中国では、そうではないのですか?
金「中国では『お金を払っているからサービスを受けられる』という意識が強く、提供されたものを、汚したりしても気にしない場合も多いのです。一方の日本では、ルールがハッキリと明記されていなくても、人々は最低限のルールを守っています。例えば、警備員がいなくても順番に並んだりしますよね。それは、海外では当たり前のことではないのです」

2年で年商150億円を達成した女性経営者の金松月
日本では「駆け引き」がいらない
「思いやり」で成り立つサービス
――日本を好きでいらっしゃるのですね。
金「人を好きになるのに理由がないのと同じように、私は日本が好きです。水が合うというか…。言葉の奥深さなんかも素敵だと思います。例えば、日本には『思いやり』という言葉があります。ですが『思いやり』は日本独特の表現で、訳しにくい言葉です。
『次の人が気持ちよく使えるように』とトイレをキレイに使ったり、スリッパを揃えたり。洋服などのサブスクで『自分の物じゃないから』と、より丁寧に扱ったり…。そういう『思いやり』は、日本の“サービス”や“ものづくり”のレベルの高さに現れていると思います」
――中国では、そうではないのですか?
金「中国では『お金を払っているからサービスを受けられる』という意識が強く、提供されたものを、汚したりしても気にしない場合も多いのです。一方の日本では、ルールがハッキリと明記されていなくても、人々は最低限のルールを守っています。例えば、警備員がいなくても順番に並んだりしますよね。それは、海外では当たり前のことではないのです」
1
2


