
写真はイメージです(以下、同じ)
子どもを持つママなら一度は経験するであろうPTA役員。この役員仕事が楽しく終わるか、最悪の記憶になるかは「そのときに一緒になったメンバー次第」のようです。
大森由紀さん(仮名・38歳)は、幼稚園のときにPTA役員をやることに。引っ越しのため、大森さんのひとり息子は年中から途中入園したので、知り合いを作りたいという気持ちもあったと言います。
「知り合いゼロの中での役員だったので、ドキドキしていました。ですが一緒に役員になったうちの1人が、勝手知ったるベテランママAさんでした。歳の離れた3人の子どもを入園させていて、すでにこの幼稚園の“顔”となっていた彼女に『なんでも聞いてね』と言われ、頼れそうだなと安心していました」
何も知らない大森さんに、手取り足取りこの幼稚園のことを教えてくれるAさん。役員の仕事についても「みんなで積極的に意見を出し合いましょうね」と前向きに話してくれたので、役員の仕事も積極的にかかわろうと思っていたそうです。
ですが徐々に、暗雲が立ち込めます。
「Aさんが、積極的に意見を出し合いましょうというので、素直に『こうしたほうがもっとよくなるのでは?』と言ってはみるのですが、『それはもう昔から決まっているから変えられないの』と、出した意見は次々と却下されてしまって。意見を出そうというのは口だけで、昔からのやり方を変えたくないのかなと徐々に気づき始めました」
はじめは知り合いがいなかった大森さんも徐々に同じクラスのママ友が増え、いろいろな情報が入ってくるようになると、Aさんは幼稚園内では「ボスママとして威張っているから」と、他のママから距離を置かれている存在だと知りました。
「他のママに避けられていたAさんは、わたしが何も知らないので、優しくしてくれていたようです。いろいろ教えてくれてありがたいのですが、ときどき『大森さんちはひとりっ子だからわからないのよ。うちは3人いるからね』などと、上から目線の発言もあって、モヤっとすることもありました」
多少モヤモヤしながらも、Aさんを交えた役員仕事が続き、いよいよ最後の仕事へ。1年間お世話になった担任の先生に、クラスのみんなで寄せ書きアルバムを作って渡すのが慣例で、寄せ書きの手配や、プレゼントするアルバムの選定などに取り掛かった大森さんたち。そこで事件は起こります。