「俺いつ死んでもいい」44歳・2児の母が夫の発言にモヤモヤした理由「面倒な妻かもしれないけど…」
新卒から18年半、テレビ朝日のアナウンサーとして、報道、スポーツ、バラエティなど多岐にわたる番組を担当してきた大木優紀さん(44歳)。
40歳を超えてから、スタートアップ企業である「令和トラベル」に転職。現在は、令和トラベルが運営する旅行アプリ『NEWT(ニュート)』の広報、まさに「会社の顔」として活躍中です。プライベートでは、2人のお子さんを育てる母として、仕事と子育ての両立にも奮闘中。
第6回となる本連載では、大木さんがパートナーとの日常のなかで感じた“夫婦のモヤモヤ”や、すれ違い、そして一緒に子育てを歩んできたからこそ抱く想いについて、率直に綴ってもらいました。
【過去記事】⇒連載「大木優紀の旅の恥はかき捨てて」を読む
【Voicyで聴く】⇒音声版「大木優紀の旅の恥はかき捨てて」
私たち夫婦は、ありがたいことにとてもいい関係で子育てに向き合えています。夫は家事も育児も積極的で、学校のことにも関わってくれるし、パパ友とも交流しながら、まさに「子どもを一緒に育てている」感覚が強いんです。
第一子が生まれた頃は、まだまだ「手伝う」レベルで「イクメン」顔をしていたこともありましたが(笑)、今ではすっかり「手伝う」を脱却し、本当に力を合わせて、子育てをしています。
教育の面でも、勉強は私が、スポーツや課外活動は夫が担当するなど、それぞれ得意な部分を活かしながら、うまくバランスを取ってきました。悩みや失敗も多いのが子育てではありますが、夫はパートナーとして本当に心強い存在です。
……しかし。そんな夫に、先日、久しぶりにモヤモヤすることがありました。今まで積み上げてきた信頼があるからこそ、余計に引っかかったのかもしれません。今日は、そのときのことを少し書いてみたいと思います。
ある夜、子どもたちが寝静まった後、夫婦だけのゆっくりとした時間を過ごしていたときのことでした。
ふと、夫が、
「俺、やりたいこともできたし、もういつ死んでもいいや」
と、ちょっと満足そうな顔をしながらポロッと言ったんです。その瞬間、私、なーんか妙にモヤーっとしてしまったんです。
「ここまで仕事も頑張って、いろんな経験ができた。幸せな家庭も築けたし、もう満足なんだ。だから、もう、いつ死んでもいい」と。
……うん。ありきたりな自己満足と、もしかしたら、幸福感すら滲ませた、なんてことない言葉。こんなことで、いちいちモヤっとする私を面倒な妻だと思うかもしれない。でも、なんだろうこの引っかかる感じ。
40代や50代の男性が、キャリアのひと区切りを迎え人生を振り返って満足感を覚える。そして、ありがちな「これからは若い後輩たちを応援する側に回りたい」と続く、自己満足トーク。これは私の周りでも、本当によく聞くパターンではあり、50代の夫にとっては自然なことなのかもしれません。
でも「もう死んでもいい」という言葉には納得がいかない。まだ、私たちにはやり切らなきゃいけないことがあるんじゃない? そういうふうに思ったわけです。
夫は最高のパートナー。でも、モヤッとする!
「俺、もういつ死んでもいい」——夫の一言にモヤモヤした夜
ある夜、子どもたちが寝静まった後、夫婦だけのゆっくりとした時間を過ごしていたときのことでした。
ふと、夫が、
「俺、やりたいこともできたし、もういつ死んでもいいや」
と、ちょっと満足そうな顔をしながらポロッと言ったんです。その瞬間、私、なーんか妙にモヤーっとしてしまったんです。
「ここまで仕事も頑張って、いろんな経験ができた。幸せな家庭も築けたし、もう満足なんだ。だから、もう、いつ死んでもいい」と。
……うん。ありきたりな自己満足と、もしかしたら、幸福感すら滲ませた、なんてことない言葉。こんなことで、いちいちモヤっとする私を面倒な妻だと思うかもしれない。でも、なんだろうこの引っかかる感じ。
40代や50代の男性が、キャリアのひと区切りを迎え人生を振り返って満足感を覚える。そして、ありがちな「これからは若い後輩たちを応援する側に回りたい」と続く、自己満足トーク。これは私の周りでも、本当によく聞くパターンではあり、50代の夫にとっては自然なことなのかもしれません。
でも「もう死んでもいい」という言葉には納得がいかない。まだ、私たちにはやり切らなきゃいけないことがあるんじゃない? そういうふうに思ったわけです。




