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「大量タトゥーのヤンキーたちが参加」異色の恋愛リアが大ヒットしている理由。“キラキラ恋愛番組”との決定的な“違い”とは

Netflixで12月9日から配信がスタートした恋愛リアリティショー『ラヴ上等』。まだ最終話まで配信されていないものの、12月18日時点では国内週間ランキングで1位を獲得し、さらに韓国でもランキング入りするなど、人気を集めています。 その人気の秘密は参加者やルールなど、今までの恋愛リアリティ番組にはなかった内容にあります。本記事ではその人気の秘密を掘り下げます。

異色の参加者たちが繰り広げるリアルな恋愛模様

1222_ラヴ上等③

画像:『ラヴ上等』プレスリリースより

『ラヴ上等』は、ヤンキーやギャルの男女たちが山奥にある学校「羅武上等学園」で14日間の共同生活をしながら、卒業式での告白に向けて恋愛を繰り広げるという恋愛リアリティ番組。参加者は元暴走族総長や元ヤクザ、少年院経験者に加え、タトゥーが入っていたり施設育ちだったり、幼少期に借金取りに追われた経験を持っていたりと、訳アリな人たちばかりです。 経営者やモデル、夢を追う若者など、キラキラした参加者たちがラグジュアリーなリゾートやホテルで非日常を過ごしながら真実の愛を見つけていくような、従来の恋愛リアリティ番組にありがちな設定とはまったく異なる奇抜すぎる内容には、今までにないインパクトがあります。 Netflixではこれまで、同性愛者の独身男性たちによる『ボーイフレンド』や、35歳以上の男女を集めた『あいの里』など、一筋縄ではいかない恋愛リアリティ番組を作ってきました。そして今作では、社会からのはみ出し者たちを集めています。 特徴的な参加者だけでなく、暴力やカツアゲ、器物破損をしたら即退学というルール、喧嘩が始まったらセキュリティが登場する仕組み、ヤンキー学園をイメージした学校内の内装デザインも、本作の面白さをさらに増幅させています。『ラヴ上等』が人気となっている背景には、これまで恋愛リアリティ番組を視聴してこなかった層にもヒットしていることがあると考えられます。

本能のまま生きる参加者たちの姿に共感する視聴者続出

異性からデートを誘われなかったり、自分の気になる相手が他の人と良い雰囲気になっていたり、自分の気に入らないことをされたりすると、すぐに感情を露わにする参加者たち。日常的に荒い言葉を使い、「見た目より顔を好きになる」と公言し、少しでも気になる相手には下ネタだとしても直球なアプローチをして仲を深めようとする。バチバチに喧嘩をしても次の瞬間には仲直りしてゲラゲラ笑い合う。 そんな彼らの姿は、カメラや異性の目の前にあるにも関わらず格好をつけずに本能のまま生きる様子として、コンプライアンス重視の社会でさまざまなことを我慢しながら自分を押し殺して生きる現代人には刺さるのではないでしょうか。特に恋愛に奥手な若者からすれば、まだ付き合ってもいない異性に対する彼らの愛情表現は羨ましさすら感じるかもしれません。 また彼らは一見すると怖くて他人が嫌いで自分勝手に生きているように見えるヤンキーたちですが、辛い過去を乗り越え、自分の若気の至りや過ちを反省して今を生きています。仲間思いな一面や、恋愛に対しても一途な部分は、視聴者の心を揺さぶります。 漫画やドラマでしか見たことのないヤンチャな男女の言動や思考回路を垣間見ることができるのは、普段の生活では接することができないヤンキーのリアルを感じる貴重な時間とも言えるでしょう。こうした恋愛観やファッション、タトゥーなど日本独自のヤンキー文化や精神性を存分に感じられる点が、韓国など海外でも人気を集める理由かもしれません。
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MC陣の個性が番組の魅力を引き立てる
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