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毎日ChatGPTを使っている私が「AIは友達になれない」と思った理由。独身の友人が打ち明けた“恐怖”から

 新卒から18年半、テレビ朝日のアナウンサーとして、報道、スポーツ、バラエティなど多岐にわたる番組を担当してきた大木優紀さん(44歳)。  40歳を超えてから、スタートアップ企業「令和トラベル」に転職。現在は旅行アプリ「NEWT(ニュート)」の広報を担当。さらに2025年10月には、ハワイ子会社「ALOHA7, Inc.」のCEOに就任し、家族とともにハワイへ移住。新たなステージで活躍の場を広げています。  第29回となる今回は、大木さんとAIの関係性について綴っています(以下、大木さんの寄稿)。 【過去記事】⇒連載「大木優紀の旅の恥はかき捨てて」を読む 【Voicyで聴く】⇒音声版「大木優紀の旅の恥はかき捨てて」

私たちはAIと友達になれるのか?

大木優紀さん

大木優紀さん

 みなさんはAIをどのくらい使っていますか?  2026年。振り返ってみると、AIはすっかり私たちの生活に普及し、何をするにもAIと相談する。意思決定さえAIと一緒に行う。そんなことが当たり前の世の中になりました。  ChatGPTのことを「チャッピー」と呼んで、「私、チャッピーと話している時間が一番長いかもしれない」そんな言葉を口にする人も、周りにもちらほらいたりしませんか?  私の生活の中にもAIは深く入り込んでいます。実際、AIを使わない日はほとんどありません。それでも私は、AIを「友達」とは呼べない。  今日は、その理由について綴ってみたいと思います。

私にとって欠かせない「おしゃべり」と、友人の存在

 コロナ禍をきっかけに強く自覚したのですが、私は気の置けない友達とのおしゃべりが本当に好きです。それは私にとって、大きなストレス発散の糧でもあります。  人と会えない状況が続いたコロナ禍では、その「当たり前」が奪われて、強いフラストレーションを感じていました。  客観的に見れば、友達とのおしゃべりは何かを生み出すわけでもなく、オチがあるわけでもない。時には会話が噛み合っていないこともある。側から見ると、ただ言いたいことを言い合っているだけの時間に見えるかもしれません。  それでも私は、あの時間がとても有意義で、自分にとって必要不可欠なものだと感じています。  ただただ自分の話を聞いてほしいだけなら、そこに意味がほしいなら、正直、今はAIのほうが優秀なのかもしれません。  AIは24時間365日いつ話しかけても、嫌な顔ひとつしないで付き合ってくれて、否定せず、前向きな言葉を返してくれる。過去話したこともちゃんと覚えていてくれる。  効率だけを考えたら、今の時代、人と会い、人と話すことは実はすごくコストの高い行為になってきているんですよね。  それでも私はなぜ友人と話したいのか。  ちょうどつい先ほど、学生時代の友人たちが、LINEグループで「東京で集まろう」という話していました。私は今回ハワイに引っ越してきてしまったので、その集まりに行くことができませんでした。  それで、とても残念な気持ちになったんですよね。私はどうして友人とこれほどまでに会いたいんだろう。そう考えたのが、今日このテーマを書こうと思ったきっかけとなりました。
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独身の友人が漏らした「恐怖」から考える、AIが友人になれない理由
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