『光る君へ』から2年、“最凶ヒール”を演じた41歳俳優が今も語る役への愛。視聴者とSNSでリアルタイム実況を続けた真意とは
「ずっと愛し続けていました」。大反響を呼んだNHK大河ドラマ『光る君へ』から2年。藤原道兼を演じた玉置玲央さん(41)は、いまもそう言い切る。

高校時代に自身の演劇への価値観を大きく変えたという、運命の舞台『ポルノ』(作・長塚圭史、演出・松居大悟)に出演する玉置さんと話しているうちに、あの“道兼ロス”の正体は、玉置さん自身に詰まっているのかもしれないと感じた。
――舞台『ポルノ』のオリジナル版は、高校生の頃に観劇して、大きな衝撃を受けた作品だとか。
玉置玲央さん(以下、玉置):そうなんです。「面白いお芝居があるから観に行こう」と大人に連れて行かれたんです。それまでは王道的な芝居ばかり観ていたので、「こういうことをやっちゃっていいんだ」とか「こういう作品もあっていいんだ」と。価値観をひっくり返されるというか、新しい価値観をぶち込まれる体験をしました。
――演出の松居さんも、全く同じように客席で衝撃を受けていたそうですね。
玉置:最後に天井からビラがぶわっと降ってきて、終演後に客席の床に散らばっていたんです。それを持って帰って大切に取っておいたんですけど、大悟も同じことをしていたっていうのを聞いて、「あ、この人といつか『ポルノ』をやれる日が来るかもしれん」ってすごい思ったんですよね。
――すごいことです。今回演じられる耕二は、町の議員選挙に立候補し、ある悩みを抱えています。前田敦子さん演じる妻にもまた悩みがあり、その姿は狂気をはらむほどです。
玉置:一見、それぞれにちょっとした悩みを抱えた夫婦に見えるけれども、少しずつというか、結構すぐの段階で「いや、かなりおかしいかもしれない」となっていくんです。それで、どんどんと『ポルノ』の世界に誘われていく。ただ、彼ら自体は、とても仲の良い夫婦なんですよ。

――今作では夫婦という関係性を演じていきますが、ご自身は「夫婦や家族に対して、どこまで踏み込むべき」だと思いますか?
玉置:やっぱりお互いに尊敬、尊重し合える関係というのが、僕は理想ですね。もしかしたらそれは近しい夫婦や家族に限らないかもしれない。尊敬や尊重にもいろんな形があると思いますが、要は0から100まで全部話し合えるわけじゃない。ドライと思われるかもしれないですが、それぞれが正しいと思っていることをきちんと全うしていて、それを心から応援し、同調できる。そういう関係性が僕は理想かな。
――その理想と照らし合わせて、ご自身は人間関係をうまく全うできているという感覚はありますか?
玉置:どうだろうなぁ。でも、自己評価としては全うできている気はします。そう思って過ごしている方が健全だし、精神的にも肉体的にも、なるべく自分がしんどくならないように生きていきたいんです。その方が風通しも良く、気持ちも楽で、いろんなことが滞りなく進むんじゃないかと。だから自分的には全うできていると信じています。

「こういうことをやっちゃっていいんだ」
夫婦だからって、0から100まで話し合えるわけじゃない

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